「自分でベランダの鳩よけ対策をやりたいけど、何をやったらいいかわからない。」
ネットで鳩よけ対策を調べていると、鳩よけグッズの紹介はたくさんされているので「何をやったらいいかわからない」と感じる人が多いと思います。
また、グッズの紹介はされていても、肝心な使い方が説明されていなかったりするので、途中で疲れて業者に相談する人もいらっしゃると思います。
そこでこの記事では、プロがやる基本的なベランダの鳩よけ対策について、使う道具から『使い方』まで詳しく解説したいと思います。
ベランダの鳩よけ対策の準備について
業者がベランダの鳩よけ対策を行う場合、「被害状況」に応じて、施工計画を立てます。
ただ、業者に依頼をされる時点で、大体のお客様は自分の手に負えないような被害状況に陥っているので、定番となっている施工プランもあります。
そのため、ここでは、被害状況別の適した鳩よけ対策と業者が施工する鳩よけ対策の『基本プラン』についてご紹介したいと思います。
ベランダの鳩よけ対策は『被害状況』に適した施工をする
被害状況別に適した鳩よけ対策について、一覧表にまとめたものをご紹介したいと思います。
被害状況 | 主な施工例 |
---|---|
たまに鳩のフンが落ちている | 忌避スプレー、忌避ジェルなど |
頻繁に鳩が来て、フンや羽が落ちている | 忌避ジェル、防鳥てぐす、とげマット(防鳥剣山)など |
毎日鳩が来て、ベランダ一面、フンや羽だらけ | 忌避ジェル、とげマット(防鳥剣山)、防鳥ネット |
ベランダだけでなく建物周辺でも鳩の被害が出ている | 建物全体で、防鳥ネット・ワイヤー・忌避ジェル施工 |
「週に1~2回、鳩のフンがベランダに落ちている」程度であれば、忌避スプレーもしくは忌避ジェルだけでも大丈夫でしょう。
ただ、それ以上鳩のフン害が起きているのであれば、「防鳥てぐす」や「とげマット」の併用をおすすめします。
防鳥ネットについては、ベランダ内で脚立を使った作業になり、転落事故の危険があるため、基本的に業者依頼されることをおすすめします。
業者が施工するベランダの鳩よけ対策の『基本プラン』
業者が鳩よけ対策を行う際は、基本的に「忌避剤+物理的な忌避対策」を組み合わせた施工を行います。
- 【鳩よけ対策の基本3点施工】
- ・忌避ジェル
- ・防鳥剣山または防鳥てぐす(ワイヤー)
- ・防鳥ネット
- ※場所や費用面の問題で、忌避ジェルと防鳥ネット、忌避ジェルと剣山またはてぐすの2点セットになることもあります。
「そんなに鳩被害はないけれど、今のうちにしっかり鳩よけ対策をしておきたい」という場合は、「忌避ジェル」と「防鳥剣山または防鳥てぐす」をしておくのがおすすめです。
防鳥ネットについては、転落事故の危険があるため、個人でやるのはおすすめいたしません。
ベランダの鳩よけ対策グッズ一覧と使い方
ここでは、ベランダの鳩よけ対策グッズと、それらの使い方について解説したいと思います。
- 【もくじ】
- ・鳩よけスプレーの使い方
- ・鳩よけジェルの使い方
- ・防鳥てぐすの使い方
- ・とげマット(防鳥剣山)の使い方
- ・防鳥ネットの使い方
- ※クリックで、各解説に移動します。
ベランダの鳩よけ対策1.忌避スプレー
一番簡単で、ラクなのが『忌避スプレー(鳩よけスプレー)』です。
- 【鳩よけスプレーの使い方】
- ベランダや塀など、普段ハトが止まっている場所に直接スプレーするだけ。
- ※3~4時間で効果が切れるので、ハトがよく来る時間に合わせて都度スプレー。
効果時間が短く、毎日スプレーしないといけないのがデメリットではありますが、他の対策よりもお手軽にできるのが大きなメリットです。
高層階や鳩が多い場所では「忌避ジェル」がおすすめ
忌避スプレーはお手軽な対策ではありますが、「高層階で風が強い(臭いが飛びやすい)場所」ではあまり効果がありません。
また、「周辺環境でも鳩の被害が多い」場合は、『他の場所で忌避スプレーを経験して慣れてしまった鳩』がいることが多いので、こちらも効果が出ません。
そのため、「高層階」や「周辺に鳩がいっぱいいる」という場合は、忌避スプレーよりも忌避ジェルを使うのがおすすめです。
ベランダの鳩よけ対策2.忌避ジェル
忌避スプレーよりも少し手間ですが、「しっかりした鳩よけ対策をしたい」人は、忌避ジェルを使うのがおすすめです。
忌避ジェルは製品によって使い方が異なるため、ここでは一番有名な「ハートジェル」という忌避ジェルの使い方をご紹介します。
- 【使い方】
- 1.ハートジェルの先端ノズルを1cmほどカットする。
- 2.コーキングガンに、ハートジェル本体をセットする。
- 3.養生テープを、ジェルを塗る箇所に貼り付ける。
- 4.養生テープの上に、ハートジェルを『なみなみ』に塗っていく。
- 5.使用後は養生テープを剥がして、捨てるだけ。
- 6.養生テープ外についたジェルは、中性洗剤で洗うと落ちます。
忌避スプレーがラクすぎるので少し大変に感じてしまいますが、実際の施工は「養生テープを貼る→ジェルを塗る」だけで終わります。
容量が少ない「ミニ」タイプはコーキングガン不要
「コーキングガンは、とにかく使いたくない」という場合は、「チューブタイプのハートジェル」を使うという方法もあります。
こちらは、コーキングガンが必要なハートジェルのチューブ版です。
容量が150gとカートリッジタイプよりも少なくなっているので、1Kマンションのベランダでも2個は用意しておいたほうがいいでしょう。
ベランダの鳩よけ対策3.防鳥てぐす
市販の防鳥てぐすでおすすめなのは、「ハトッパー」という「洗濯ばさみのように、手すりに金具を挟んで、てぐすを通すだけ」の製品です。
防鳥てぐすは、「外壁に金具の取り付けが必要なもの」「接着剤を使って取り付けるもの」など、製品によって取り付け方が異なります。
購入する際は、「手すりに挟んで、てぐすを通す」タイプを選ぶようにしましょう。
ベランダの鳩よけ対策4.とげマット(防鳥剣山)
「ベランダのフチ(塀部分)」や「室外機」にハトがよく止まる場合は、「とげマット(防鳥剣山)」を取り付けるのがおすすめです。
とげマットについても、「両面テープで取り付けられるもの」「ビス留め・接着剤が必要なもの」と製品によって取り付け方が異なります。
購入する際は、取り付け方が「両面テープ」「結束バンド」で取り付けられるものを選ぶといいでしょう。
ベランダの鳩よけ対策5.防鳥ネット
防鳥ネットをベランダに取り付ける際は、「留め具をベランダの枠に取り付けて、留め具に結束ベルトを通して、ネットを固定する」という取り付け方をします。
留め具をベランダの天井に取り付ける際は「脚立」を使うのですが、ここで転落事故が起こることがあります。
経験の長いプロでも、「突風で煽られて」「ちょっとしたミスで」転落死することがあるので、個人での取り付けはおすすめいたしません。
記事内でも何度も紹介されてうんざりしているかと思いますが、防鳥ネットの取り付けは業者に依頼されることをおすすめいたします。
ベランダの鳩よけ対策でよくある質問
自分でできる基本的なベランダの鳩よけ対策を知ったことで、新たに知りたいことが増えたという人もいらっしゃると思います。
そこでここでは、ベランダの鳩よけ対策についてよくある質問と回答をご紹介したいと思います。
ベランダの鳩よけ対策で『効果がない』ものを教えてください
A.吊り下げるカラスやCD(光もの)は、賛否両論です。
吊り下げるカラスの置物やCD(光を反射するもの)を使った対策は、鳩のフンまみれになっている現場をよく見かけます。
田舎だったり、畑まわりで鳥害に遭っている方からは、「鳥が来なくなった」という声も聞きますが、都市部で鳩被害に遭っている方からは「あんなの全然効かん!」というお声が多いです。
業者が鳩対策をする場合は、こういったものは使わないので何とも言えませんが、お客様におすすめするかどうかで考えると、「おすすめはできない」ですね。
賃貸マンションなのですが鳩よけ対策の費用は自己負担ですか?
A.管理会社やオーナー様によります。
賃貸マンションの鳩被害は「管理会社に相談」するようにしましょう。
管理会社やオーナー様側で費用負担をされる場合は、一般施工よりも安い料金体系になる契約先を持っており、入居者から連絡を受けたらその契約業者に発注して対処します。
これを知らずに自分で業者を手配した場合は、費用は自己負担になります。
※必ずしも、管理会社やオーナーが費用負担をする訳ではありません。また、どちらかというと、入居者負担になることが多いです。
ベランダの鳩よけ対策を業者に依頼した場合の費用について
「めんどそうだから、安ければ業者に対策を依頼したい」という方もいらっしゃると思います。
しかし、鳩よけ業者のホームページを見ても料金体系や相場が書かれておらず、『まずは現場見積り』という文言しかなくて不安に思われることもあると思います。
そこで参考程度ではありますが、ベランダの鳩よけ対策を業者に依頼した場合の料金相場の目安について、一例をご紹介したいと思います。
ベランダの鳩よけ対策の料金相場は『2~5万円』くらい
鳩よけ対策の料金は、「施工範囲の広さ」と「施工内容」によって料金が異なるので、いわゆる「料金相場」が出しづらいという問題があります。
なので、ここでは一例として「奥行90cm、幅5m程度」の広さの料金相場をご紹介します。
- 【鳩よけ対策の料金相場(一例)】
- ・奥行90cm、幅5mのベランダで、鳩被害が出てから2週間程度。
- →施工内容:鳩よけジェル、とげマット(防鳥剣山)のみ
- →2~5万円程度
施工内容についてですが、いわゆる『巣』になっていない初期段階であれば、『鳩よけジェルととげマットの施工のみで2~5万円程度』が大体の相場になります。
『巣』になっている場合は、防鳥ネットの施工が追加され、建物の階数によっては「高層階料金」が追加されてより高くなることがあります。
施工範囲が広ければ広いほど料金は高くなる
害虫・害獣対策全般に言えることですが、「施工範囲」が広ければ広いほど料金は高くなります。
また、「坪単位」で料金を決めている業者と、「施工内容と施工範囲」で細かく料金を決めている業者があるので、「業者によって料金が数万円違う」ということも珍しくはありません。
そのため、業者に鳩よけ対策を依頼する場合は、見積り無料の業者3社くらいに相見積もりを取り、対応や施工内容を見たうえで正式な依頼を出すことをおすすめいたします。