3月を過ぎると、「蜂がベランダをうろうろしている」という話をよく聞くようになります。
そのまま放置しておきたいものですが、アシナガバチやスズメバチだと巣を作ってしまう可能性が高いので放置するわけにもいきません。
この記事では、蜂がベランダをうろうろして離れてくれないときの対処法や、ベランダにこさせないためにできる対処法などについて解説したいと思います。
もくじ
蜂がベランダをうろうろして離れないときの対処法
「今まさに、蜂がベランダをうろうろして離れない」という人に向けて、対処法をご紹介します。
「今はいないけど、よく蜂がうろうろしているから蜂よけ対策をしたい!」という方は、ページ下部の対処法をご覧ください。
蜂専用の殺虫剤でうろうろしている個体を駆除
「今まさにベランダに蜂がいる!」という場合は、蜂専用の殺虫剤で1匹ずつ駆除しましょう。1~3匹程度であれば、スズメバチ以外はゴキブリ用殺虫剤での代用も可能です。
- 【1~3匹程度の蜂駆除のやり方】
- 1.長袖の厚みがある冬服、頭は帽子、首元から口元はタオル、目はゴーグル、手は手袋をはめて蜂刺され対策をする。
- 2.蜂専用の殺虫剤を使って、蜂を1匹ずつ駆除する。スズメバチ以外なら、ゴキブリ用殺虫剤でも代用可能。
- 3.駆除後は蜂よけ対策を行う。
できれば、1~3匹であっても「蜂専用の殺虫剤」を使うことをおすすめしたいです。
よく売られている場所順で紹介すると、「ドラッグストア&ホームセンター>スーパー>コンビニ(稀に見る程度)」でよく見かけるので、このあたりに買いに行ってみてはいかがでしょうか。
忌避剤と殺虫剤の買い間違いにご注意
「忌避剤」と「殺虫剤」の買い間違いには、注意しましょう。
殺虫剤は巣作り防止に代用することができますが、忌避剤は駆除には代用できません。
また、相手が「スズメバチ」の場合は、スズメバチ専用の駆除剤を使用するようにしましょう。
ベランダでうろうろしている蜂に木酢液やハッカ油はNG
「ベランダの蜂よけ」対策では、木酢液やハッカ油がよく紹介されていますが、「目の前にいる蜂に対して、木酢液やハッカ油を使う」のはNGです。
木酢液やハッカ油は、蜂を駆除する効能はなく、「嫌がらせて、巣を作りにくくさせるだけ」の効果しかありません。
目の前にいる蜂に使ってしまうと、逃げるどころからフェロモンで仲間を集められて、集団に襲われる可能性があるので使わないようにしましょう。
巣作り防止のために使うのはOK
目の前にいる蜂に対して使うのはNGですが、「巣作り防止のために使うのはOK」です。
「効果的な使い方」、「近寄ってくる蜂の種類別のベストな忌避方法」については、ページ下部で詳しく解説いたします。
蜂がベランダをうろうろする理由とは
「とりあえず、飛んできた蜂を駆除したけど、このまま放置して大丈夫?」「なんで、ベランダをうろうろしていたのか理由が知りたい」という方は多いと思います。
そこでここでは、蜂がベランダをうろうろする理由について解説したいと思います。
蜂がベランダをうろうろするのは巣作りの下見
蜂がベランダをうろうろする主な理由は、「巣作りの下見」をしているからです。
蜂の大半は越冬せず、毎年、3月下旬~6月にかけて「その年を無事に過ごせる巣を作れる場所」を探して飛び回ります。
ベランダをうろうろしていたからといって必ず巣を作られるわけではありませんが、ベランダは蜂にとって最高の環境なので忌避対策はしておいた方がいいでしょう。
ベランダは蜂の巣の場所としては最高の環境
ベランダは、「雨や風をしのげる」「直射日光が当たらない」など、蜂にとって巣を作る場所として最高の環境が整っていることが多いです。
とくに、「雨をしのげる」というのは、水で巣が落下するのを恐れる蜂にとっては非常に理想的な環境と言えます。
ベランダでも、「天井の隅」「室外機の角の近く」「何か壁で遮られている場所」によく巣が作られているのは「雨をしのげる」という理由があるからです。
ベランダに巣を作る蜂はアシナガバチとスズメバチ
ベランダに巣を作る蜂の種類は、「アシナガバチ」と「スズメバチ」の2種類です(条件によってはミツバチも稀にあり)。
この2種類は、主食が「他の昆虫」であり「行動範囲が広い」ので、すぐ近くに花や草木がない都会であっても大きな巣を作ることができます。
対して、ミツバチは、主食が「花の蜜(花粉)」なのでベランダに巣を作ることは滅多にありません(一部のアシナガバチは、嗜好品として蜜を吸うことがありますが主食ではありません)。
ガーデニングをしていても、十分な蜜がなければ途中で別の場所に巣を移す可能性が高いでしょう。
蜂は洗濯物の香料にも寄って来る
「洗濯物を干していると、必ず蜂がよってくる」という場合、「柔軟剤の香料」が原因でよってきている高いでしょう。
花の蜜(花粉)を食べる、ミツバチと一部のアシナガバチは、フローラルな香料の柔軟剤を使っていると食べ物だと思って近寄ってしまいます。
「でも、柔軟剤を使わないと洗濯物がゴワゴワになる」という場合は、一時的に無香料の柔軟剤に切り替えることを検討してはいかがでしょうか。
ベランダに蜂が来ないようにする方法
ここでは、ベランダに蜂が来ないようにする防除対策について解説いたします。
既に、家の近くに蜂の巣ができているような場合は、後述の「ベランダに蜂の巣ができたときの対処法」をご覧ください。
蜂専用殺虫剤をベランダに撒いて対策
一番簡単なのは、「蜂専用殺虫剤を定期的にベランダに撒く」ことです。
- 【蜂専用殺虫剤による蜂よけ対策】
- ・3~5日に1回、ベランダ全体に散布する。
- ・雨が降った日や風が強かった日は、翌日に散布し直す。
蜂専用殺虫剤は、巣作り防止の忌避対策に使えるものが多く、2~3匹飛んできたときの撃退にも使えるのでおすすめです。
ペットボトルと木酢液を使った蜂よけ対策
「ペットや小さい子供がいるので、殺虫剤は使えない」というご家庭も多いと思います。
そういったときは、「ペットボトルと木酢液」を使った蜂よけ対策がおすすめです。
- 【ペットボトルと木酢液の蜂よけ対策】
- 1.ペットボトルの上部分をカッターで切る。
- 2.木酢液を希釈せずに、ペットボトルの1/3位の位置まで注ぐ。
- 3.ベランダの四隅に木酢液入りのペットボトルを置いておく。
- 4.液体が少なくなってきたら、適時、木酢液を追加する。
- 5.ベランダが広い場合は、スプレーボトルに木酢液を入れて、3~5日に1回ほどベランダ全体に散布する(四隅のペットボトルはそのまま)。
「自然に優しい成分」ではありますが、木酢液は非常に臭いがキツイので、洗濯物は室内干しにしたほうがいいでしょう。
近場に巣がある場合は捕獲機がおすすめ
「調べてみたら、家の近くに巣があって、そこから飛んできているみたい」という場合。
この場合は、忌避剤を使っても餌の確保のために飛んでくることがあります。
忌避剤の臭いになれてしまうと巣を作られる可能性があるので、このようなときは捕獲機を設置し、飛んできた蜂を随時捕獲するのが安心です。
ベランダの蜂よけでハッカ油はおすすめできない理由
「キャンプに行くときに、ハッカ油が蜂よけになるって聞いたけど、ベランダの蜂よけには使えないの?」と思った方もいらっしゃると思います。
一応、蜂よけに使うことはできますが、「ベランダのような開けた場所では、香りがすぐ飛ぶ」ので常時使う蜂よけとしてはおすすめできません。
ただ、ゴキブリやダニなど、地面を移動する害虫対策にはおすすめですので、既にハッカ油を買った人はそういった害虫対策に活用してみてはいかがでしょうか。
ベランダに蜂の巣ができたときの対処法
「旅行から帰ってきたら、蜂の巣ができていた」「蜂がいっぱいいると思ったら、ベランダの室外機に巣ができていた」など、ベランダに蜂の巣ができてしまった場合。
こうなってからは、忌避剤を使った蜂よけではなく、殺虫剤を使った「巣の駆除」でないと対応ができません。
そこでここでは、自分でできる蜂の巣駆除について解説いたします。
自分で駆除できる蜂の巣の状態
最初に、自分で駆除できる蜂の巣の状態についてご紹介いたします。
- 【自分で駆除できる巣の状態】
- ・巣の大きさが「15cm未満」
- ・蜂の種類が「スズメバチ以外」
巣の大きさが15cmを超えると、蜂の数が100匹以上いることがあるので自分での駆除はやめておいたほうがいいでしょう。
また、スズメバチについては、体が大きいものは専用殺虫剤でも即死せずに反撃される可能性が高いので個人での駆除はおすすめしません。
ベランダは駆除が難しい場所
実は、ベランダは蜂の巣ができやすい場所なのに対して、「業者でも駆除が大変な場所」と言われています。
というのも、ベランダは薬剤を安全に散布するための「距離が十分に取れない」ためです。
「至近距離から散布したら即死するんじゃないの?」と思われがちですが、至近距離から散布しても薬剤の効力が強くなることはなく、むしろ巣から逃げた蜂に薬剤がかからないというデメリットがあります。
もちろん、機材や薬剤を変えるなどで対応はできますが、個人だとそういった選択肢がないので、基本的には業者に依頼されることをおすすめします。
自分でベランダの蜂の巣を駆除する手順
駆除のやり方自体は、普通の駆除方法と変わりがありません。
- 【必要な道具】
- ・防護服(手袋)
- ・蜂用の殺虫剤スプレー
- ・高枝ばさみ
- ・応急処置具
- ・ゴミ袋(可燃ゴミ用)
- ・虫取り網
駆除の手順
- 1.蜂の巣から、2~3mの距離に立つ。
- 2.巣に向かって、殺虫剤を噴射する。
- 3.巣から出てくる蜂がいても、巣に向かって噴射を続ける。
- 4.2分ほど噴射して巣から蜂が出てこなくなったら、周りの蜂に殺虫剤を噴射する。
- ※殺虫剤を噴射中は、後ろに下がったり、近づいたりしないように注意しましょう。
詳しい道具の選び方や巣の処分方法などについては、下記ページで解説しております。
>>>蜂の巣を自分で駆除する方法~落とした後の処理方法まで解説~
蜂がベランダをうろうろして離れないときの対処法まとめ
蜂がベランダをうろうろする主な理由は、「巣作りのための下見」です。
毎年、3月下旬~6月にかけて、蜂は巣作りを行うので、この時期は殺虫剤や木酢液を使って蜂よけ対策をしておいたほうが安心です。
巣ができた場合は、15cm未満のもの、スズメバチ以外の巣であれば自分での駆除も可能ですが、ベランダは駆除が難しい場所なのでできれば業者に依頼されることをおすすめします。