「他の人は大丈夫なのに、私だけ蜂に狙われる」という人は、一定数存在します。
これは、生まれつきの体質などではなく、蜂が寄ってくる「色・匂い」のを身にまとっているからだと思われます。
ただ、色や匂いだけでなく「何気ない行動」が原因で、蜂に狙われているということもあります。
この記事では、「もう自分だけ蜂に狙われたくない!」という方に向けて、蜂に狙われる理由や狙われないための対策を解説したいと思います。
もくじ
蜂に狙われやすい人の特徴とは
蜂に狙われやすい人は、「匂い」「服の色」に蜂を寄せ付ける原因があるかもしれません。
蜂によく狙われるという人は、あてはまるものがないかチェックしてみてください。
蜂に狙われやすい人の匂い
蜂のような「集団」で生活するような虫は、危険が迫ったときに巣全体にすぐに危険を伝えられるように「フェロモン」を使って、情報伝達を行います。
蜂のフェロモンには色々ありますが、「危険が迫ったときに攻撃態勢を取る」ために発せられるのが「警報フェロモン」です。
フェロモンの種類(働きバチ) | 説明 |
---|---|
集合フェロモン | 働きバチを巣に集めるためのフェロモン。巣への定着、集団の形成(仲間づくり)に使われる。 |
警報フェロモン | 敵を見つけた際に、仲間を集めて迎撃するために発せられるフェロモン。 |
餌場マークフェロモン | オオスズメバチ限定のフェロモン。ミツバチの巣を見つけた後、仲間を集めるために木にこすりつける。 |
実はこの「警報フェロモン」によく似た物質が、人間の日常生活の中で使われています。
柔軟剤とジュースやお菓子の甘い匂いが警報フェロモンと似ている
「甘い香りの柔軟剤」「砂糖がたっぷり入ったジュースやお菓子」の匂いは、「蜂が警報フェロモンと誤解してしまう」原因となります。
また、フェロモンに関係なく、単に「匂いが強すぎて蜂を刺激しているだけ」「餌だと思って近寄ってきているだけ」ということもあります。
どちらにしても、蜂が飛び回る時期は、「柔軟剤は無香料タイプ」「整髪料や香水は、控えめな香りのものを選ぶ」「ジュースやお菓子は外で食べない」などの点に注意した方がいいでしょう。
蜂が寄ってくる色
「黒色は蜂を寄せつける」という話は有名ですが、実は明確な根拠があるわけではありません。
「熊の天敵説」「はちの子を狙うアジア人の頭髪説」など、色々な俗説がありますが、科学的根拠をもとに証明された説はいまだに存在していないのが実情です。
ただ、「体の中で頭部(黒髪)の蜂刺され被害が多い」「黒い服を着ていると狙われやすい」という話はよく聞きますので、蜂が飛び回る時期は黒い服は避けた方がいいでしょう。
蜂が嫌いな色はない
「蜂が嫌いな色ってなんですか?」という質問を受けることがありますが、蜂は特定の色を嫌がったりはしません。
ただ、認識しづらい色があり、それが「白色」だと言われています(色以外にも、嗅覚・音などで物体の特徴を認識していると言われています)。
しかし、白色の服を着ていても蜂が全く寄ってこないということはないので、注意しましょう。
一人だけ蜂に追いかけられた人の話
「5人以上固まっていたのに、私だけ執拗に追いかけられた!」というような話を聞いたことはありませんか?
「そんなに人がいるのに、自分だけ追いかけられるわけないだろ。みんな追いかけられているに、決まっているじゃないか。」と思うかもしれませんが、実際に一人だけ追いかけられることはあります。
公園でコーヒーを飲みながらタバコを吸っていた女性
オフィス街にある公園でのことでしたが、そこはいつも出社前・昼休憩中はサラリーマン・OLであふれていました。
周囲には喫茶店やコンビニがあったので、テイクアウトしたコーヒーやごはんを公園で食べる人もたくさんいました。
その日私は、喫茶店でモーニングを食べていました。
叫んで暴れてスズメバチに襲われる
私が公園前の喫茶店で、いつもの窓際の席でモーニングを食べていると、「いやっ!!助けて、助けて!!!」という大きな悲鳴が聞こえてきました。
「うわっ!関わりたくない!」と思いつつ、何があったのかと悲鳴の方を見ると、缶コーヒーの中身をまき散らしながら大きく手を振り回して暴れている女性が見えました。
最初は「頭のおかしい人が暴れているのか?」と思っていましたが、彼女のまわりにだけ黒い蜂の群れが飛んでいるのがわかりました。
スズメバチの群れを殺虫剤で駆除
お店の中で「蜂じゃない?」「蜂に襲われとるわ」とお客さんが話し出すと、公園のまわりにあった喫茶店やコンビニの店員さんが殺虫剤を持って蜂の駆除に駆けつけました。
蜂を駆除した後は、誰かが通報した警察のパトカーと救急車が到着して、女性は病院に運ばれてきました。
戻ってきた店員さんが「『たばこ吸うな』って書いてあるのに、なんで吸うんやろね。」とぼやいていました。
集団でいるのに一人だけ蜂に追いかけられる理由
実はこの公園の木にはスズメバチの巣があり、ちょくちょく「蜂に刺された」という人がいたため、注意書きの看板が色んなところに置いてありました。
以前から蜂に刺されたという話はよく聞いていましたが、今回のように『一人だけ、大群のスズメバチに追いかけられた』という話は初めて聞きました。
あの女性のことをずっと見ていたわけではないので推測になりますが、おそらく下記が原因ではないかと思います。
- ・大声を出していた
- ・蜂を威嚇しながら逃げていた
- ・化粧品やコーヒーのにおいに寄ってきた
- ・巣の近くでたばこを吸っていた
蜂は大声を出したり、手で追い払おうとすると興奮して、「攻撃された!反撃しなきゃ!」と威嚇行動をすっ飛ばして攻撃してきます。
おそらく、「巣の近くでたばこを吸って」蜂が警戒行動をとった際に、女性が大きな声を出して手を振り回した結果、蜂に敵認定されてしまった可能性があります。
また、化粧品やコーヒーの甘い香りも、蜂が寄ってくる原因になった可能性もあります。
蜂に警戒・威嚇行動をされたらゆっくり立ち去る
蜂は、敵が近づいてきたときに「警戒行動→威嚇行動→攻撃行動」と段階を踏んでから攻撃を行います。
警戒行動では「対象のまわりを遠巻きに飛び回る」、威嚇行動では「羽音を大きく鳴らして、囲むように飛び回る」「顎をカチカチ鳴らす(スズメバチ)」という行動をとります。
警戒・威嚇行動をされたときに、「大きな声を出さず・手で追い払わずに、ゆっくり蜂と反対方向に距離を取る」ようにすれば攻撃行動に移る前に逃げられます。
警戒・威嚇行動を無視して攻撃行動に移られると、蜂は空中で「ビシッ!」と止まり(針の狙いを定めている)、猛スピードで襲ってくるので注意しましょう。
蜂に狙われないための対策
3月下旬~10月までは、蜂が活発に活動する時期です。
この時期は、蜂がいそうな場所に行くときは「蜂に狙われないための対策」をしておいた方がいいでしょう。
ここでは、蜂に狙われないようにするための対策はいくつかご紹介いたします。
蜂が好きな匂いを身に着けない
一番対策をした方がいいのが、「匂い」です。他の対策をしていても、匂いで失敗したら他の対策は全く意味のないものになるので、匂い対策は一番力を入れることをおすすめします。
- 【蜂に狙われないための匂い対策】
- ・柔軟剤は無香料タイプを使う
- ・ヘアスプレーや制汗剤は無香料タイプを使う
- ・ヘアオイルやトリートメントも無香料を使う
基本的に、日常生活で使うものは無香料タイプに替えた方がいいでしょう。
蜂に狙われにくい色の服を着る
「白色」は、蜂に視認しづらい色と言われています。
ただ、視認しづらいだけであって、「存在を感知できない」というわけではないので服の色についてはそこまで気にしなくてもいいと言う方もいらっしゃいます。
ただ、そんな方でも「とりあえず黒色は避けた方がいい」と言うので、黒色の服だけは避けた方がいいでしょう。
明度が高い色が狙われにくい
「キャンプに行くから、服の色も徹底して対策しておきたい」という方は、明度が高い色の服を着ていくといいでしょう。
白色、ライトブルー、ライトグリーンなど、なるべく明るい色を選ぶといいでしょう。
ただ、キャンプ場などに行く場合は、次で紹介するハッカ油スプレーを使うのがおすすめです。
巣がない場所で近寄る蜂はハッカ油で対策
「巣がない場所なのに1~2匹蜂が飛んでいる」という場合。
通勤・通学ルートで、どうしても避けられないのに毎日通らざるを得ない道に蜂が数匹いるという場合は、「ハッカ油スプレー」を体と持ち物にかけておくといいでしょう。
ハッカ油スプレーは自分で作ることもできますが、「無水エタノールや精製水が大量に余ってもったいない」という意見も聞きますので、最初から調整されたスプレーを買うのがおすすめです。
ハッカ油スプレーの作り方
「家の虫対策にも使いたいから、自分でハッカ油スプレーを作りたい」という方に向けて、ハッカ油スプレーの作り方をご紹介しておきたいと思います。
- 【必要な材料】
- ・ハッカ油:10~20滴
- ・無水エタノール(なくてもいい):5~10ml
- ・精製水(水道水でも可):80~90ml
- ・スプレーボトル
- 【作り方】
- 1.ハッカ油と無水エタノールをスプレーボトルに入れてよく混ぜる。
- 2.精製水をスプレーボトルに入れてよく混ぜる。
無水エタノールは、ハッカ油を水になじませるために使いますが、思いっきり振り混ぜる体力がある方はなくてもかまいません。
精製水についても、「地下水(井戸水)」を使っているという人でなければ、水道水でも問題ありません。