例年、3月下旬を過ぎると「部屋の中に小さい虫がたくさん出てきた!」という話をよく聞くようになります。
ほとんどは、一時的に条件が重なって「たまたま大量発生」したというものですが、虫が大量発生する原因が常にあり「定期的に大量発生」するという事例もあります。
ただ、どちらの場合でも虫が発生する原因を知っていれば、駆除や再発予防は簡単にできます。
この記事では、部屋にいる小さい虫の名前や大量発生する原因、駆除・防除方法などについて解説いたします。
- ※このサイト内では、ゴキブリの実写画像は一切ありませんのでご安心ください。
- ※この記事については、判別できるように小さい虫の【実写画像】があります。なるべく小さくしていますが、苦手な方はゆっくり見るのがおすすめです。
もくじ
部屋の中にいる小さい虫の名前一覧
部屋の中にいる小さい虫というと、クロバネキノコバエ、シバンムシ、チャタテムシ、チョウバエの4種類が代表的です。
まずは、この4種類について、実物の写真を見ながら「どういった見た目なのか」「どういった場所に発生するのか」について解説いたします。
部屋の中を飛ぶ黒い小さい虫のクロバネキノコバエ
「黒い小さい羽虫がいっぱいいる」と言われて確認すると、クロバネキノコバエだったということがよくあります。
梅雨時期に大量発生することが多いですが、冬でも暖房が効いた室内で大量発生することがあります。
クロバネキノコバエの駆除・防除方法については、下記で解説しております。
飛ばない黒い小さい虫のシバンムシ
黒い小さい虫というとシバンムシも該当しますが、シバンムシの場合は地面をのそのそ動き、滅多に飛び回りません。
シバンムシも梅雨時期に大量発生する虫で、乾物(しいたけやペットフード)や穀類(小麦粉やパスタ、米など)にくっついている姿をよく見ます。
シバンムシは種類が非常に多いので、黒以外にも茶褐色や汚いコケのような色をしたものがありますが、見た目は大体同じです。
繁殖スピードが多く、駆除で1匹見落とすと1週間で元通りということが多いので、初回の駆除でしっかりとどめを刺すことをおすすめします。
本棚やダンボールにいるチャタテムシ
「ダニだ!」とよく間違われるのが、チャタテムシです。「見た目がダニっぽい」のでダニの仲間だと勘違いされますが、まったく違う種類の害虫です。
チャタテムシも高温多湿を好み、梅雨時期や秋に大量発生します。発生場所としては、畳や本棚、ダンボール、乾物系の穀類(パスタやマカロニなど)によく発生します。
チャタテムシの大量発生は「ツメダニ(皮膚炎やアレルギーの原因)」の大量発生原因につながるので、見つけ次第早めに駆除されることをおすすめします。
風呂場やトイレにいる羽虫代表のチョウバエ
チョウバエは、「汚い水」の中に含まれる有機物(例えば、垢や糞尿)を餌にするので、風呂場やトイレの近くでよく発生します。
基本的に掃除をしていれば室内で大量発生することのないチョウバエですが、一部、建物の状況によってはきれいに掃除していても室内で大量発生することもあります。
増えるペースが早い害虫ですが、駆除と再発防止対策自体は簡単にできますので、チョウバエを見つけたら早めに対策されることをおすすめします。
部屋の中にいる小さい虫の駆除方法
小さい虫は、放置するとすぐに数が増えるので、見つけ次第早めに駆除するのがおすすめです。
ただ、目につくものを殺虫剤で駆除しても「すぐに再発する」ということがあるので、そうならないような駆除方法を解説いたします。
クロバネキノコバエの駆除方法
クロバネキノコバエは、どちらかというとベランダで大量発生するタイプの虫ですが、「部屋の中で観葉植物を育てている」と室内でも大量発生するようになります。
- 【クロバネキノコバエの駆除方法】
- 1.成虫は殺虫剤で駆除する。
- 2.室内で、「土で育てている植物」は土ごと捨てる。どうしても残したい場合は、きれいな土に植え替える。
- 3.室内に植物がないのに大量発生した場合は、換気扇やシンク周辺に捕獲機をつるしておく。
観葉植物の土の中には、虫の卵が産み付けられることがあるので、一度虫が大量発生したときは土ごと捨てるのが安心です。
室内に植物がないのに大量発生したという場合は、周辺で発生した虫が窓や換気扇から侵入した可能性があるので捕獲機をつるして常時駆除しましょう。
シバンムシの駆除方法
シバンムシは、すぐ増える上に「1匹でも繁殖できる」個体(種類)がいるため、駆除が非常に難しい害虫の1種です。
駆除をする際は、「食害にあった食べ物を捨てる→燻煙剤か誘引トラップで駆除→食害に合いそうな食べ物は密閉容器に入れて保管する」といった流れで行います。
燻煙剤での駆除について
シバンムシが大量発生したときは、「燻煙剤」を使うのが一番おすすめです。
ただ、ゴキブリやムカデなどの虫も駆除することになり、「死骸処理が大変」というデメリットがあります。
死骸処理のみの依頼は産廃資格が必要になり、害虫駆除業者では依頼を断られるので、自分で死骸処理ができない人は誘引トラップの利用をおすすめします。
シバンムシ用誘引トラップでの駆除について
シバンムシの誘引トラップは「数が多いと全部捕まえられない」「本来はモデリングに使うものなので、完全な駆除には向かない」というデメリットがあります。
ただ、「ペットや小さいお子さんがいて燻煙剤が使えない」という方にとっては、これしか選択肢がありません。
確かに完全駆除は難しいですが、「玄関・リビング・キッチン・寝室」など家中の部屋すべてに誘引トラップを置いておき、食害に合いそうなものはきっちり密閉容器に保管するようにすれば、寒くなるにつれて次第に数が減っていきます。
チャタテムシの駆除方法
家だけでなく、そこら辺の草木にもたくさんいるのがチャタテムシです。
部屋の中にいるチャタテムシを駆除しても、すぐに家の外から室内に侵入されてしまう可能性があるので、駆除と防除は一緒にされることをおすすめします。
駆除自体は簡単で、殺虫剤をチャタテムシの集団に噴射するか、燻煙剤を使って家全体に薬剤をまくだけです。
防除対策は「除湿とカビ取り」
チャタテムシの生態は少し変わっており、生育適温(大体24℃~28℃)以下で「空気が乾燥している」と幼虫の成長が止まると言われています。
また、自然界のチャタテムシはカビを食べるので、除湿とカビ取りをしておくと、チャタテムシが増えにくくなります。
梅雨時期は、家全体の除湿やカビ取りは難しいですが、「押し入れ、シンク下、下駄箱、畳がある部屋」については除湿剤を置いて予防しておいたほうがいいでしょう。
チョウバエの駆除方法
この記事で紹介した虫の中では、チョウバエの駆除・再発防止が一番簡単です。
- 1.成虫は、殺虫剤で駆除する。
- 2.ベランダの排水溝や浄化槽など、「汚ない水」が溜まっている場所を掃除する。
- 3.直接の掃除が難しい場所、すぐに汚れてしまう場所は、チョウバエ用の薬剤を定期的に使う。
チョウバエは、「水の中に卵を産む」ので水の中に専用の駆除剤を入れるだけで再発防止ができます。
ただ、チョウバエ用の駆除剤はあまり店舗で売られているのを見かけないので、近くのホームセンターになければ取り寄せてもらう必要があります(取り寄せ可能かどうかはお店によります)。
部屋の中に小さい虫が大量発生しないようにする対策
「あの部屋だけ虫がいっぱいいる」「特定の時間・時期だけ虫がいっぱいいる」など、ある特定の条件がそろったときだけ虫が大量発生することがあります。
ここでは、そういった特定条件下で小さい虫が一時的に増えてしまう原因や対処法について解説いたします。
窓際に小さい羽虫の死骸が大量にある理由と防除策
「窓際にだけ小さい羽虫の死骸があって気持ち悪い」という場合は、下記のような原因が考えられます。
- ・部屋の中にいた虫が窓の外の光に集められた
- ・別の場所から入った虫が窓から出ようとしたけど出られなかった
特定の窓際だけに大量に死骸があると「窓から入ってきたの?」と思ってしまいますが、実際は「別の場所から入った虫が窓から外に出ようとして死んだ」ということがほとんどです。
目につかないだけで、小さい羽虫だと「換気扇、エアコン、玄関を開けたとき、人間の衣服や荷物」にくっついて家の中に入ってくるのでとくに気にしなくても大丈夫です。
大雨の後に小さい虫が大量発生する原因と防除策
「雨が降った後によくわからない小さい虫が大量に湧く」という場合は、下記のような原因が考えられます。
- ・雨風で飛ばされてきた(地面から避難してきた)
- ・水たまりのおかげで活動範囲が広がった
ムカデやヤスデのような「地面を這う虫」だと、雨から逃げるために外壁のひび割れや床下から家の中に入ってくることがあります。
クロバネキノコバエやユスリカの場合は、風で飛ばされて網戸や換気扇から入ってきたり、水たまりやベランダの排水溝で卵が孵って、窓の引き違い部分やエアコン配管の隙間から部屋の中に入ることがあります。
家の大きな隙間はパテやテープで補修
外壁のひび割れ、エアコン配管の隙間、窓の引き違い部分やレール下の隙間など、「大きな隙間」についてはパテやテープで補修しておいた方がいいでしょう。
とくに、外壁のひび割れとエアコン配管の隙間については、ゴキブリやネズミの侵入経路にもなるので、見つけ次第塞ぐことをおすすめします。
パテやテープについては、「防水タイプ」でないとすぐ剥がれてしまうのでご注意ください。
キッチン・台所に小さい虫が大量発生する原因と防除策
キッチン・台所に大量発生する小さい虫というと、「クロバネキノコバエ」が代表的ですが、コバエやゴキブリなどの繁殖場にもなります。
- ・三角コーナーの生ごみから卵が孵る
- ・排水溝の汚水から虫が孵る
- ・シンク下や床に落ちた食材カスが餌になる
上記が、キッチン・台所で小さい虫が大量発生する主な原因です。
三角コーナーの生ごみは対策されている方が多いですが、排水溝の中の汚水も生ごみから流れてきた虫の卵が孵る場所になるので要注意です。
対策といっても、塩素系漂白剤や液体パイプクリーナーを定期的に入れるだけで大丈夫です。