寝具店に行くと、「羽毛布団はダニに強いのでおすすめですよ!」という売り文句を聞くことがあります。
羽毛布団は値段が高いので購入する前に「本当にダニに強いのか」、詳しく知っておきたいという方は多いと思います。
また、既に羽毛布団を購入された方で「ダニへの対処法を知りたい」「羽毛布団のお手入れ方法を知りたい」という方もいらっしゃると思います。
そこでこの記事では、「羽毛布団はなぜダニに強いのか」「羽毛布団の日頃のお手入れ方法」などについて解説したいと思います。
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羽毛布団がダニに強いといわれる理由
羽毛布団が一般的にダニに強いとされる理由は以下の2つです。
- 【ダニに強い理由】
- 1.製造段階での洗浄・乾燥工程により、ダニが死滅するため。
- 2.高密度織り・ダウンプルーフにより、ダニが生地内に入り込む隙間がない。
簡単に説明すると上記のようになりますが、ダニ対策を重視されている方の場合「もっと詳しく知りたい」という方もいらっしゃると思います。
そこで、次の見出しからは、もう少し詳しく「なぜ、羽毛布団がダニに強いのか」について解説いたします。
ダニが死滅するような製造工程
羽毛布団は「鳥の羽根(ガチョウやアヒルの羽根)」を使って作られるため、鳥についている「ダニ・微生物・汚れ」をしっかり取り除く製造肯定がとられています。
- 【布団に入れる羽毛の製造工程】
- 1.羽毛の収集と洗浄
羽毛は専門の業者によって収集され、不純物やダニを取り除くために洗浄されます。洗浄は繰り返し行われ、ダニや雑菌を除去することに重点が置かれます。 - 2.脱水・乾燥
洗浄後、羽毛は脱水され、余分な水分が取り除かれます。その後、乾燥が行われます。乾燥は高温で行われ、ダニや微生物を死滅させます。
以上の工程により、羽毛布団はダニが死滅し、衛生的な状態で販売されます。
また、他の布団と違い、「生地の織り方」にもダニが入り込めない特殊な織り方がされています。
高密度織り・ダウンプルーフでダニが入り込めない
羽毛布団の生地は高密度織りとダウンプルーフの加工が施されており、その組み合わせによってダニが入り込みにくい状態になっています。
- 【羽毛布団特有の加工】
- 1.高密度織り
通常の生地に比べて目が詰まっており、ダニが入り込む隙間がほとんどありません。 - 2.ダウンプルーフ加工
生地の目が閉じられ、羽毛の飛び出しやダニの侵入を防ぐことができます。
上記のように、羽毛布団は高密度織りとダウンプルーフの組み合わせによって、ダニが入り込みにくい環境が整っています。
ただし、長期間の使用やメンテナンス不足による生地の劣化でダニが繁殖することもあるので、定期的なメンテナンスはしっかりしておくことをおすすめいたします。
ダニが発生しやすい布団の種類
「羽毛布団はダニに強いって聞くけど、逆にダニが発生しやすい布団ってなに?」と思われた方もいらっしゃると思います、
簡単に結論から申し上げると、「羊毛布団と綿布団」がダニが発生しやすい布団です。
「羽毛布団以外、全部じゃん!」と思われたかもしれませんが、おっしゃる通り羽毛布団以外は基本的にダニが繁殖しやすい環境が整っています。
ただ、最近は羽毛布団以外でも「防ダニ加工」された布団もあり、「羽毛布団は高すぎて買えないけど、ダニ対策はしたい」という人の選択肢の1つになっています。
防ダニ加工の布団について
防ダニ加工製品は、ダニの侵入や繁殖を防ぐために特殊な処理(薬品の使用)が施された製品のことです。
羽毛布団でも「防ダニ加工使用」の製品がありますが、人によっては「お肌に合わない」こともあるので購入する際はよく検討されることをおすすめいたします。
防ダニ加工って、どんな加工をするの?
一般的な防ダニ加工は、生地に防ダニ加工剤を塗布したり、繊維に防ダニ成分を含ませたりすることで、ダニの活動を抑えます。
もちろん、使われる加工剤は基準をクリアしたものが使用されますが、「肌に合わない」「通常の洗濯で加工が落ちる」といったトラブルが多い傾向にあります。
羽毛布団の場合、生地自体が高密度織りやダウンプルーフ加工などでダニの侵入を防ぐ役割を果たしていますので、変に防ダニ加工された製品は選ばない方がいいでしょう。
羽毛布団のダニ退治と予防のやり方
基本的に羽毛布団の中でダニが繁殖することはありませんが、「生地の表面にダニが付く」ことはあります。
また、「常に湿度が60%前後」「ペットを飼っている」「長期間、同じ羽毛布団を使っている」ような場合は、羽毛布団でもダニが繁殖することがあります。
そこでここでは、羽毛布団のダニ退治や予防のやり方をご紹介したいと思います。
日陰干しでダニの繁殖を予防
羽毛布団を日陰で定期的に干すことで、湿気を飛ばして、ダニの繁殖を予防することができます。
- 【干すときのポイント】
- ・1週間に1回程度干す
- ・風通しがよく、直射日光が当たらない「日陰」で干す
- ・布団が重なったり、他の洗濯物が密集する場所では干さない
お布団を干すときに「天日干し(直射日光を当てて干す)」をされる方が多いのですが、羽毛布団の場合は生地の劣化を防ぐためにも「直射日光の当たらない日陰」で干すのがおすすめです。
干すのが難しいときは「布団乾燥機」
「洗濯物を干せる場所は、全部直射日光が当たる」「風が強くて、布団を干せるような場所がない」といった場合は、布団乾燥機を使うのがいいでしょう。
布団乾燥機は、室内で布団を敷いて、敷布団と掛布団の間に乾燥機のホースを入れてスイッチを押すだけで、布団を乾燥させることができる機械のことです。
布団乾燥機は色々なメーカーが開発していますが、シャープの布団乾燥機ならプラズマクラスター搭載で「布団につく独特な臭い」の除去もできるので、おすすめです。
掃除機で物理的にダニを吸う
日頃から「掃除機でダニを吸い取る」といったお手入れ方法をされている方もいらっしゃると思いますが、羽毛布団でもこの方法は効果的です。
羽毛布団は、生地の中にはダニが入りづらいといった特徴がありますが「生地の表面」にはダニがついてしまいますので、その表面のダニの除去を掃除で行います。
普通の掃除機で吸ってもいいですが、「床を掃除した掃除機を布団に使うのはちょっと・・」という場合は、布団専用の掃除機を使うのがいいでしょう。
布団専用の掃除機「布団クリーナー」とは
布団クリーナーとは、布団専用の掃除機のことで「繊維の奥にもぐりこんだダニを吸い取る」「普通の掃除機では吸い込めないような小さいゴミを吸い取る」といった特徴があります。
ダニが入り込みづらい羽毛布団ですとメリットが少ないように感じますが、敷布団や毛布の掃除にも使えますので「寝具環境を清潔にしたい」という人にはおすすめです。
布団クリーナーも色々な家電メーカーが開発していますが、アイリスオーヤマの布団クリーナーが値段的にも性能的にもおすすめです。
季節の変わり目は布団クリーニングでしっかり洗浄
1シーズン布団を使ったら、押し入れやクローゼットに保管する前に「布団クリーニング」で布団のメンテナンスをしておいた方がいいでしょう。
日陰干しや布団クリーナーでお手入れを徹底していても、「汗・皮脂・タンパク質汚れ」は生地に染み込んでいます。
汚れを落とさないまま保管すると「黄ばみ・臭い・生地の劣化」に繋がるので、保管前に布団クリーニングに出されることをおすすめいたします。
最近は、宅配で布団クリーニングに出せるサービスもありますので、「店舗に布団を持っていくのはしんどい」「そもそも、近くにクリーニング屋がない」という人は宅配クリーニングを検討してみてください。
羽毛布団はダニに強いけど定期的なお手入れは必要
製造工程や生地の織り方から「羽毛布団はダニに強い」という特徴はありますが、100%ダニが発生しないというわけではありません。
とくに、「布団生地の表面」にはダニが付く可能性があり、定期的なお手入れ・メンテナンスが必要です。
また、敷布団や枕カバー、マットレスなど、羽毛布団以外の寝具にダニが発生することもあるので、ダニトラブルでお悩みの方は「寝具周り全般のダニ対策」を考えてみてはいかがでしょうか。
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