ゴキブリの殺虫剤の代用品として、「アルコールスプレー」の名前がよく挙がります。
一方で、「アルコールスプレーが効くと聞いていたけど、全然効かなかった!」という声もよく聞きます。
結論から申し上げると、アルコールスプレーでゴキブリを退治することは可能ですが、「アルコール濃度」と「使い方」に注意しておかないと全く効果がありません。
この記事では、殺虫剤の代用品としてアルコールスプレーを使いたいと思っている方に向けて、代用品に使えるアルコールスプレーの選び方や使い方について解説したいと思います。
もくじ
ゴキブリはアルコールスプレーでは即死しない?
冒頭でも紹介しましたが、「アルコールスプレーでゴキブリを退治」することは可能です。
ただ、即死かどうかというと、「即死ではない」というのが答えです。
ここでは、アルコールスプレーでゴキブリがなぜ死ぬかの理由や、よくある勘違いなどについてご紹介したいと思います。
ゴキブリがアルコールスプレーで死ぬ理由
ゴキブリには「気門」と呼ばれる呼吸器官があり、アルコールをスプレーするとこの気門が塞がれて呼吸ができなくなるのでゴキブリが死にます。
この気門はアルコールでなくても塞がれると虫は死んでしまいますので、食器用洗剤やお風呂場掃除用洗剤でも代用することは可能です。
ただ、「気門を塞げる量」をゴキブリが死ぬまでかけなければならないので、死ぬまでの間ゴキブリが羽ばたたいたり動き回ることがあります。
特に代用する理由がなければ殺虫剤がおすすめ
特に殺虫剤を使えない理由がない人は、殺虫剤を使うことをおすすめします。
アルコールスプレーや洗剤で代用する場合、ゴキブリが弱りづらく、止めを刺す前に逃げられてしまうことがあるからです。
殺虫剤なら遠くから噴射しても、じわじわとゴキブリを弱らせることができますので、特に理由のない方は殺虫剤を使われることをおすすめいたします。
ゴキブリ・虫よけにアルコールスプレーは効果ない
「アルコールスプレーでコバエ除け!」「アルコールで虫退治!」などのネット記事を見かけることがありますが、間違いです。
アルコールスプレーは噴射して5分もすれば、気化して空気に戻るため常時虫よけの効果などはありません。
おそらく、アルコールスプレーのことを何も知らないか、ハッカ油と混同しているかのどちらかでしょう。
ハッカ油なら防虫効果はあるものの駆除はできない
虫よけスプレーや防虫剤に使われている「ハッカ油」であれば、ある程度の虫よけ効果は期待できます。
ただ、ハッカ油も効果がずっと続くわけではないので、ゴキブリ対策などで使う場合は定期的にスプレーのやり直しが必要になります。
また、あくまでも「防虫」対策として使うものですので、駆除用だと思って購入している人はご注意ください。
ゴキブリ退治でアルコールスプレーを代用する場面
「なんで、アルコールスプレーで代用するの?」「殺虫剤でいいんじゃない?」と思った方もいらっしゃると思いますが、実はちゃんとメリットがあります。
ここでは、アルコールスプレーを代用するのに適した場面についてご紹介いたします。
ペットや赤ちゃんがいて殺虫剤を使いたくないとき
ペットや赤ちゃんが家にいる場合、殺虫成分を含んだ殺虫剤は気軽には使えません。
とくに、殺虫剤の注意書きには「ペットがいるご家庭では使用しないでください」「赤ちゃんがいる部屋ではご使用にならないでください」などの注意書きがありますので厳禁です。
アルコールスプレーであれば、アルコールの大部分はすぐに気化しますし、雑巾で軽く水拭きすれば簡単にアルコールは取れますので殺虫剤のように使用後の掃除に気を使う必要がありません。
水槽で魚を育てている人は要注意
どちらかというと店舗の方で多いミスですが、「水槽で魚を育てている人」は殺虫剤や防虫剤を水槽のある部屋で使わないようにしましょう。
殺虫剤や防虫剤を水槽の近くで使ってしまい、「翌日に水槽の魚が全滅した」という人をたまに見かけます。
生物の近くでは、殺虫剤の使用に十分注意しておきましょう。
食べ物が机やテーブルの上に出ているとき
ゴキブリが出たときに「食べ物が机やテーブルの上にある」という場合にも、アルコールスプレーは役に立ちます。
殺虫剤を使ってしまうと、食べ物が全部ダメになって捨てることになりかねませんが、アルコールスプレーなら直接かからない限り安心です。
ただ、「コンロ」の近くでアルコールスプレーを使うと、引火してしまうことがあるので「火の近くでは使わない」ように注意しましょう。
ゴキブリ退治でアルコールスプレーを代用するときの注意点
冒頭でも紹介しましたが、ゴキブリ退治に使うアルコールスプレーは「濃度」と「使い方」を間違えると効果がありません。
とくに、「アルコール濃度」を間違えると、どれだけ噴射してもゴキブリには効かないので注意しましょう。
ゴキブリ退治用のアルコールスプレーは『濃度60%以上』を選ぶ
アルコール濃度100%だと、すぐに気化してしまうので、アルコールスプレーは基本的に水や乳酸などの添加物ですぐに気化しないように濃度が調整されています。
ゴキブリ退治に使う場合、このアルコール濃度が60%以上ないと、どれだけスプレーしても効果がなく逃げられてしまう可能性が高くなります。
業務用アルコールスプレーでも60%以下のものアリ
一般的な家庭用の除菌スプレーの多くはアルコール濃度50%以下のものが多いので、ゴキブリ退治用にアルコールスプレーを常備したい方は「業務用アルコールスプレー」を探すことになると思います。
しかし、『業務用』というキャッチコピーがあっても、「アルコール濃度60%以下」ということもあります(大容量という意味で業務用と言っている)。
そのため、ゴキブリ退治用にアルコールスプレーを購入される方は、成分表示を見て「アルコール濃度」が60%以上になっているかどうかしっかり確認しておきましょう。
アルコールスプレーでゴキブリが死なないのは『距離と量』が問題
アルコールスプレーは、放置しているとすぐに気化してしまうので「至近距離」で噴射しなければなりません。
また、ゴキブリの気門を塞げるだけの量を噴射しなければならないので、「ゴキブリ本体に直接大量噴射」するようにしましょう。
よく、「逃げ込んだ棚の隙間にかけたけど死んでなかった」「まわりを囲むように噴射したけど効果なかった」という声を聞きますが、「至近距離で本体に直接大量噴射」しないと効果がないのでご注意ください。
ゴキブリはアルコールスプレーで即死しない?まとめ
ゴキブリにアルコールスプレーが効くのか、アルコールスプレーを代用品として使うにはどうしたらいいかなどについて解説いたしました。
アルコール濃度が60%以上のアルコールスプレーであれば、ゴキブリ退治にも使うことはできますが、やはり殺虫剤と比べると効き目や使いやすさは劣ってしまいます。
ただ、「ペットや赤ちゃんがいても使える」という大きなメリットがありますので、殺虫剤が使えない人はアルコールスプレーの代用も検討してみてはいかがでしょうか。