「コウモリを自分で駆除したい」という方は多いのですが、コウモリは鳥獣保護法で守られているので、勝手に駆除はできません。
ただ、駆除はできませんが、「追い出し・忌避対策」は自分ですることができます。
そこでこの記事では、自分でできる簡単なコウモリ駆除の方法について解説したいと思います。
もくじ
コウモリは自分で駆除していいの?
このページを見られている方の中には、「コウモリって、自分で駆除したらダメって聞いたけど・・・」という方もいらっしゃると思います。
確かに、コウモリは個人が勝手に駆除することはできませんが、「追い出し・忌避対策」は自由に行うことができます。
不安な方も多いと思いますので、最初に「なぜ、コウモリの駆除は自分でしたらダメと言われているのか」について解説したいと思います。
コウモリは鳥獣保護法で守られているので「駆除」はできない
鳥獣保護法とは、簡単に言うと「勝手に鳥や獣を駆ったら、自然のバランスが崩れるから、許可なくしてはいけませんよ」という法律です。
コウモリは鳥獣保護法で守られているので、勝手に駆除すると下記のような罰則を受けます。
- 【鳥獣保護法違反の罰則例】
- 狩猟鳥獣以外の鳥獣の捕獲など:1年以下の懲役または100万円以下の罰金
- 鳥獣保護地区での無許可の行為:6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金
- 占有者の承諾なしの鳥獣の捕獲など:50万円以下の罰金
- 捕獲許可証の不携帯・不提示・虚偽の届出:30万円以下の罰金
「じゃあ、自分の家にいるコウモリを駆除したい場合はどうしたらいいの?」と思いますよね。
自分でコウモリを駆除したい場合は、お住まいの自治体に駆除の申請を行います。
自治体に申請して許可が出たら駆除できる
コウモリを自分で駆除したい場合は、自治体窓口の案内に従って、「有害鳥獣捕獲許可の手続き」を行う必要があります。
手続きの方法は、住んでいる自治体によって全く異なるので、分からなければ役所に問い合わせて確認しましょう。
基本的には、駆除業者または狩猟免許を持っている方が行う手続きですが、個人の方でも申請は可能です。
コウモリ駆除は自分でできないけど「追い出し」は可能
コウモリの駆除には許可が必要でしたが、「追い出し」であれば申請なしで個人で行うことができます。
また、先ほど紹介した有害鳥獣捕獲許可は、何でも許可されるわけではないので、駆除業者も基本的には「追い出し」で対応します。
その際に使う薬剤や道具は、ホームセンターなどで市販されているものを使いますので、やり方さえ知っていれば個人の方でも簡単にできます。
自分でできるコウモリ駆除のやり方
ここでは、自分でできるコウモリ駆除(追い出し・忌避)のやり方についてご紹介します。
はじめての方は上から順番に見ることをおすすめしますが、読み返す際は下記もくじから気になる箇所をチェックしてみてください。
コウモリを自分で駆除するときの大まかな流れ
コウモリを駆除するときの大まかな流れは、「住処を特定→忌避剤を使って追い出す→侵入経路を塞ぐ(屋内のみ)」です。
この3つの流れがきちんとできていれば、個人の方でも業者がやるような駆除ができます。
この流れだけで分かる人もいるかもしれませんが、はじめての方向けに1つずつ詳しく解説いたします。
1.コウモリが住みついている場所を特定
一番はじめに、「コウモリが住みついている場所」を特定しましょう。
屋外であれば「フンが落ちている場所」、屋内であれば「天井や壁紙のシミ、悪臭がする場所」がコウモリの住処になっています。
このページを見られている時点で、住みついている場所の目処は立っていると思いますが、もしも「どこにいるかわからない」という方は下記の場所をチェックしてみてください。
- 【コウモリが住みつきやすい場所】
- ・軒下
- ・天井裏、屋根裏
- ・ベランダ、玄関
- ・瓦と屋根材の隙間
2.忌避剤を使ってコウモリを追い出す
コウモリが住みついている場所が特定できたら、今度は「忌避剤」をコウモリが住みついている場所に散布します。
ホームセンターやネットショップでは、色々な忌避剤が売られていますが、「コウモリ用」を選ぶようにしましょう。
コウモリ用の忌避剤については、ページ下部で具体的な製品名と共に解説いたします。
3.コウモリの侵入経路を塞ぐ
「天井裏・屋根裏」にコウモリが住みついていた場合は、侵入経路を塞いでおきましょう。
- 【侵入経路になる場所】
- ・通風孔
- ・換気扇(換気口)
上記のような場所を塞ぐときは、ちゃんと換気ができるように「金網」を使います。
コウモリを自分で駆除するときに使う道具・グッズ
先ほど、軽く触れましたが、コウモリ駆除をする際は「忌避剤」と「金網」の2つを使います。
どちらも、ホームセンターやネットショップで購入できますが、「似たようなものがあって、どれを買ったらいいかわからない」という方は多いと思います。
そこでここでは、道具の選び方や具体的な製品名をご紹介したいと思います。
追い出し・定着予防に使える「コウモリ忌避スプレー」
コウモリの忌避剤というと、イカリ消毒の「コウモリ忌避スプレー」が定番です。
ジェルや錠剤(タブレット)タイプの置き剤もありますが、そちらはあまり評判がよくないのでおすすめしません。
忌避スプレーは駆除時の追い出しだけでなく、定着防止のために数日間使うものなので、3~6本位用意しておいた方がいいでしょう。
コウモリの侵入経路を塞ぐときは「金網」が基本
通風孔や換気口に金網を設置するときは、「網目が細かい(10mm以下)」ものを選びます。
ネットショップで選ぶ際は、「防鼠(ぼうそ)」用と表記があるものを探してみてください。
また、金網を取り付けるときに「釘やビスは打ちたくない」という場合は、建築用テープを使うといいでしょう。
超音波装置はコウモリには効果なし
害獣対策で使われる「超音波装置」ですが、コウモリには効果がありません。
コウモリがいる場所は、「屋外」もしくは「天井材で遮られた場所」なので、超音波装置の効果が届かない位置になります。
製品説明の有効害獣にコウモリが入っていることもありますが、おすすめはしません。
屋根裏にいるコウモリ駆除の手順
屋根裏・天井裏にコウモリがいるときの、駆除手順は下記の通りです。
- 【屋根裏・天井裏のコウモリ駆除】
- 1.忌避スプレーを、屋根裏・天井裏に散布する。
- 2.コウモリが出ていったら、通風孔・換気口の穴を金網で塞ぐ。
- 3.戻り防止のために、1日1回、夕方に屋根裏・天井裏・軒下に忌避スプレーをしておく。
上記が、屋根裏・天井裏にいるコウモリの駆除方法です。
忌避スプレーは、3~6時間で効果がなくなるので、毎日夕方にスプレーし直しましょう。
大体2週間もすればコウモリが戻ってこなくなりますが、「フン」が落ちている間は忌避スプレーを毎日かけ直した方がいいでしょう。
屋内の糞尿の消毒・掃除方法
「コウモリは追い出せたけど、糞尿被害がひどすぎて、どうしたらいいかわからない」ということもあると思います。
コウモリの糞尿には、他の野生動物同様に、寄生虫や病原菌が含まれているので消毒をしながら掃除する必要があります。
コウモリの糞尿の消毒・掃除方法については、下記の記事で解説しています。
軒下にいるコウモリ駆除の手順
軒下・玄関にコウモリがいるときの、駆除手順は下記の通りです。
- 【軒下・玄関のコウモリ駆除】
- 1.忌避スプレーを、1日1回、夕方に軒下・玄関にスプレーする。
軒下・玄関の場合は、コレだけで終わりです。
屋内のときと同様に、忌避スプレーは夕方、「フンが落ちなくなるまで」毎日かけ直すようにしましょう。
コウモリ駆除・防除に適した時期
「毎年コウモリが来るから、効率よく防除できる時期を知りたい」という方もいらっしゃると思います。
そこでここでは、コウモリ駆除・防除に適した時期について解説したいと思います。
コウモリ駆除・防除を自分でやるなら『春と秋』に実施
春は夏に安心して子育てできる場所、秋は冬眠できる場所を探して、コウモリは外を飛び回っています。
この時期に忌避対策をしておくと、長期間、コウモリが家に住みつくのを予防できます。
もしも、「毎年、家にコウモリが来る」と悩んでいる人は、「春と秋」に集中して忌避対策をしてみてはいかがでしょうか。
自分でコウモリ駆除ができないときは業者依頼
「自分でやろうと思ったけど、家が広すぎて無理」「めんどくさいから、業者に依頼したい」という方もいらっしゃると思います。
そこでここでは、コウモリ駆除を業者に依頼したときの料金や役所で対応してもらえるかどうかなどについて解説しておきたいと思います。
コウモリ駆除は役所ではやってくれない
役所ではコウモリ駆除はやっていません。
駆除の許可申請で役所に行くと、「なんで、やらないんだ!」と怒っている方を稀に見かけますが、私有地の害虫・害獣駆除は役所ではやっていません。
蜂や農薬用の噴霧器や防護服の貸出をしている役所は一部ありますが、駆除はやっていないので注意しましょう。
コウモリ駆除を業者に頼んだときの料金
駆除業者で心配なのが、「料金のぼったくり」だと思います。
コウモリ駆除の場合は、「作業範囲」「駆除方法(忌避スプレー、金網設置など)」によって料金が異なります。
作業範囲にもよりますが、たとえば「軒下にいるコウモリ駆除」の場合、『2~3万円』位が相場です。
- 【軒下にいるコウモリ駆除の料金例】
- ・忌避剤散布、防鳥ネット設置の作業
→2~3万円程度
- ※作業範囲が広い場合は、もっと高くなります。
- ※消毒・清掃作業は、別途料金。
業者によって料金体系は異なりますので、あくまで参考程度にしてください。
業者依頼する場合は、見積り無料の業者3社くらいに相見積もりを取ってから、「いいな」と思うところに依頼するのが安心です。