「チャドクガがついた服を洗濯してしまった!」「服にチャドクガが落ちてきたけど、洗濯して大丈夫?」
チャドクガの毒針毛は、洗濯しても毒は無毒化しないので、本来は毒針毛を取り除いて単体で洗濯する必要があります。
しかし、「既に洗濯してしまった」「適切な洗濯手順が分からない」という人もいらっしゃると思います。
そこでこの記事では、「毒を持つ毛虫を洗濯してしまった」「これから洗濯したい」という方に向けて、洗濯手順や毒針毛への対処法を解説したいと思います。
もくじ
チャドクガを洗濯物してしまったときの対処法
チャドクガは「毒針毛」と呼ばれる「毒を含んだ毛」を持っており、その毛に触れてしまうと湿疹が出たり、強いかゆみ・痛みなどの症状が現れます。
毒針毛への対処法ですが、「既に洗濯してしまった」「これから洗濯する」どちらの場合でも、基本的な対処法は同じです。
ここでは、チャドクガ及び毒針毛を持つ毛虫を洗濯してしまったときの対処法について解説いたします。
チャドクガは洗濯しても「毒」が残っているので注意
最初に注意点ですが、チャドクガの毒は「洗剤では無毒化しない」ので注意しましょう。
また、毒は菌・ウィルスでもないので、アルコールなどの消毒・除菌グッズも効果がありません。
そのため、チャドクガと一緒に洗濯してしまった衣類を触るときは、「厚手の軍手」を着用されることをおすすめいたします。
チャドクガが洗濯物についているときは割りばしで取る
洗濯物にくっついているチャドクガは、割りばしを使って取り除きましょう。
チャドクガが生きている場合は、熱湯を入れたバケツや桶にチャドクガをつけて、駆除するといいでしょう。
熱湯で駆除したチャドクガは、新聞紙やいらないタオルに包んだ状態で、可燃ゴミの袋に入れてゴミの日に出しましょう。
チャドクガがついた洗濯物の洗い方
チャドクガに限らず、毛虫の毛がついてしまった衣類は下記手順で洗います。
- 【毛虫がついた洗濯物の洗い方】
- 1.ガムテープやコロコロで、毛虫の毛を取り除く。
- 2.50℃以上の熱湯に、5分ほど漬け置きする。
- 3.洗濯機で、「すすぎ2回」以上に設定して、毛虫がついた洗濯物だけを洗う。
- 4.乾燥機があるなら、乾燥機を使って乾燥する(ないなら、普通に干す)。
- 5.アイロンの中~高温スチームをかけて、完了。
- ※おしゃれ着やジャケット等は、クリーニング専門店に相談しましょう。
「既に毛虫と一緒に洗濯をしてしまった」という方は、毛虫を割りばしで取り除いた後、「50℃以上の熱湯に漬け置き」するところから始めましょう。
おしゃれ着やジャケットなど、高温に弱い素材のものは、クリーニング専門店の方に相談してみましょう。
洗濯後は「槽洗浄」もしくは「すすぎ→脱水」2セット
洗濯機内に残っている毒針毛対策として、洗濯機の「槽洗浄」もしくは「洗濯→脱水」を2セットしておくことをおすすめします。
「洗濯→脱水」をするときは、「水位設定を最大」にして行いましょう。
洗濯機内の毒針毛を排水に流すだけですので、洗剤や洗濯槽クリーナーは使わなくて大丈夫です。
チャドクガがついた洗濯物に触ったときの応急処置
「チャドクガに気づかずに、洗濯物に触って刺されたみたい」という場合は、下記応急処置をしておきましょう。
- 【毒針毛に触ったときの応急処置】
- 1.ガムテープで、毒針毛を取り除く。
- 2.流水で洗い流す。
- 3.保冷剤や氷水を入れた袋で、患部を冷やす。
応急処置後は、抗ヒスタミン薬を含む軟膏を塗っておくといいでしょう。
抗ヒスタミン薬を含む軟膏を塗っても症状が治まらない場合は、皮膚科を受診しましょう。
チャドクガを洗濯物につけないための対策
「外に干している洗濯物に毛虫がついていた」「自宅の敷地内で毛虫が大量発生している」という場合。
上記のような場合は、「洗濯物に毛虫をつけないための対策」を検討した方がいいでしょう。
ここでは、洗濯物に毛虫をつけないための対策について解説いたします。
チャドクガの洗濯物対策1.毛虫の駆除・忌避を行う
敷地内で毛虫が発生しているような場合は、「毛虫の駆除・忌避」対策をしておくといいでしょう。
毛虫の殺虫剤には色々な製品がありますが、「ベニカJスプレー」なら、毛虫の駆除と防除(忌避)を同時に行うことができます。
ただ、ベニカJスプレーは有効射程5mと短いので、高い木に毛虫がいる場合は「ケムシジェット(アースガーデン)」を使うのがおすすめです。
日本にいるチャドクガ以外の「毒」を持つ主な毛虫
参考までに、日本にいる毒を持つ毛虫と、その毛虫がどんな植物に寄ってくるのかなどをご紹介しておきたいと思います。
種類 | 寄ってきやすい植物 | 刺された時の症状 |
---|---|---|
チャドクガ・ドクガ類 | ツバキ、ノバラ、イタドリなど | 赤い湿疹と強いかゆみ |
マツカレハ・クヌギカレハ(カレハガ科) | マツ、クヌギ、サクラなど | 赤い湿疹と強いかゆみ・痛み |
タケノホソクロバ(マダラガ科) | タケ、ササ | 赤い湿疹と強いかゆみ・痛み |
イラガ(科) | サクラ、モミジ、カキ他(ほぼ全ての樹木) | 赤く腫れる、強い痛みとかゆみ |
「イラガ」は雑食で、どんな樹木にも住みつく可能性があるため、イラガが服についていた方は、お庭の毛虫駆除を検討した方がいいでしょう。
その他の毛虫も、自分のお庭に寄ってきやすい植物があった場合は、忌避剤を撒くなどして対策されることをおすすめいたします。
チャドクガの洗濯物対策2.毛虫が出る5~9月は部屋干し
毛虫被害の発生数は「5~9月」に多くなるため、この期間は部屋干しするというのもいいでしょう。
毛虫の駆除・忌避対策をやっていても、「自分の家の敷地外から風で飛ばされてくる」こともあります。
特に、家の近くに緑地公園、雑木林、街路樹などがある方は、5~9月は部屋干しをおすすめいたします。
チャドクガの洗濯物対策3.外に干すときは「カバー」を使う
「洗濯物は、絶対に外に干したい」という場合は、「カバー」の使用を検討してみてはいかがでしょうか。
昔は防虫ネットをベランダ一体に貼らなければなりませんでしたが、最近は物干し竿にカバーを吊るすだけのカバーが売られています。
洗濯物カバーは敷地外からの毛虫の飛来対策にはいいですが、「敷地内で毛虫が大量発生している」ときは、あまり効果がないのでご注意ください。
チャドクガを洗濯してしまったときの対処法まとめ
毛虫がついた衣類を洗うときは、「ガムテープで毛を取る→熱湯に漬け置き→すすぎ2回以上で洗濯→乾燥→スチームアイロン」の流れで洗濯するといいでしょう。
また、洗濯機内に残っている毒針毛対策のために、洗濯後は「槽洗浄」または「すすぎ→脱水(満水設定)を2セットされることをおすすめいたします。
毛虫の毛がついた衣類の洗濯は大変ですので、記事後半で紹介した駆除・忌避対策も検討してみてはいかがでしょうか。