「毛虫を駆除したいけど、できれば家にあるものでやりたい」「農薬は使いたくないから木酢液を使いたい」
上記のように、農薬・殺虫剤を使わずに毛虫を駆除したいという方はたくさんいらっしゃいます。
特に「木酢液」を使いたいという方が多いですが、木酢液を駆除に使う場合は「使用場所」が限られます。
この記事では、木酢液や家にあるものでできる毛虫駆除のやり方などについて解説したいと思います。
もくじ
木酢液で毛虫駆除をするやり方とは
「木酢液で毛虫駆除をしたい」という方が多いので、最初に木酢液を使った毛虫駆除のやり方について解説したいと思います。
木酢液で毛虫駆除をする場合は、使える場所・希釈方法が通常の木酢液の使い方と異なるので、順を追って解説いたします。
木酢液で毛虫駆除はできるが「植物」には使えない
木酢液で毛虫を駆除する際は、「希釈せずに原液のまま」使わないと毛虫が死にません。
しかし、木酢液の原液を植物に使ってしまうと「葉が縮む」「土壌細菌が死んで土から栄養が取れなくなる」などのトラブルが起こります。
そのため、「植物」に付いている毛虫駆除には「木酢液」は向いていません。
木酢液で毛虫駆除できるのは「ベランダ・外壁」
「じゃあ、どこの毛虫なら駆除できるの?」と思われたと思いますが、「ベランダ・外壁などの、植物がない場所」なら木酢液が使えます。
ただ、木酢液の原液は非常に臭いが強いので、「臭い移りが気になる」「駆除後の臭いが心配」という場合は、木酢液は使わない方がいいでしょう。
木酢液は毛虫駆除ではなく「防除」に向いている
木酢液は毛虫駆除には向いていませんが、「毛虫の防除(寄せ付けない対策)」には向いています。
木酢液は毛虫だけでなく、不快害虫全般の防除に使うことができます。
正しく使えば、野菜や花が元気に育つ土づくりにも役立ちますので、防除を検討している方には木酢液がおすすめです。
木酢液を使った毛虫駆除・防除のやり方
木酢液で毛虫駆除・防除をやるときですが、駆除と防除で木酢液の希釈方法が違いますので分けて解説いたします。
- 【駆除のやり方】
- ・木酢液は希釈せずに、原液のままスプレーボトルに入れる。
- ・ベランダや外壁にいる毛虫に直接、木酢液をスプレーする。
- ※植物や土には、絶対スプレーしないようにしましょう。
- 【防除のやり方】
- ・木酢液を500~1000倍に水で希釈して、スプレーボトルに入れる。
- ・毛虫が寄ってきそうな植物に、希釈した木酢液をスプレーする。
- ・スプレーするときは、『葉の裏側』『枝の分かれ目』にもしっかりスプレーする
木酢液で毛虫防除をする時期について
木酢液で毛虫防除をする際は、「時期」に気をつけましょう。
- 【防除作業におすすめの時期】
- ・3~5月
- ・7~8月
木酢液なら、上記の期間に「月1回」の頻度で防除作業をしておけば、大量発生することはないでしょう。
可能であれば、3~5月上旬くらいに、剪定して余計な枝葉を落としておくと、より効果的です。
毛虫駆除を家にあるものでやる方法
「家にあるもので毛虫を駆除する方法」で検索して、「木酢液が使えます」とか出てきたら「あるわけないだろ!」ってなりますよね。
そこでここでは、本当にどこの家にもあるもので、毛虫を駆除する方法をご紹介したいと思います。
家にあるもので毛虫駆除に使えるのは「熱湯」だけ
結論から申し上げると、家にあるもので毛虫駆除に使えるのは「熱湯」だけです。
「え?お酢とか使えないの?」と思われる方が多いですが、お酢では毛虫は駆除できません(木酢液より弱いです)。
熱湯は使える範囲が広くはないのですが、「一瞬で駆除できて、臭い・薬剤が残らない」のがメリットです。
熱湯を使った毛虫駆除のやり方
やり方というほどでもありませんが、「おたま等で、沸騰させたお湯を直接毛虫にかけるだけ」です。
植物に大量に熱湯をかけると「枯れる原因」になりますので、少量ずつ、毛虫にピンポイントにかけるようにしましょう。
また、「数が多すぎる」「植物全体にお湯をかけることになる」ような場合は、毛虫用の駆除剤を使うことをおすすめします。
家にあるもので毛虫駆除をしたい人からよくある質問
最後に、「家にあるもので毛虫駆除をしたい」という人からよくいただいた質問とその回答をご紹介したいと思います。
記事上部で紹介した内容と被っているものもあるので、疑問がなければ読まなくても大丈夫です。
家にお酢がありますが毛虫駆除に使えますか?
A.お酢で駆除できるのは、アブラムシやハダニです。
勘違いされている方が多いのですが、「お酢」で駆除・防除できるのは「アブラムシ・ハダニ・コナジラミ・うどんこ病」などです。
木酢液に「酢」とあるので、「お酢も効果あるんじゃ・・」と思われるかもしれませんが、木酢液とお酢では液性も有効成分も全く違います。
「やさお酢」という商品名を挙げられる方が多いのですが、商品説明の「適用病害虫」に毛虫・芋虫が入っていないのはそういうことです。
イラガ・チャドクガなどの毒を持つ毛虫も熱湯で駆除できますか?
A.できますが、「毒針毛固着剤」を使うことを強く勧めます。
毒を持っている毛虫も、熱湯を使えば駆除はできますが、安全面を考えて「毒針毛固着剤」を使われることをおすすめします。
「熱湯をかけた毛虫に、誤って触ったら、手が腫れた」という人がいるように、「毛虫本体の毒針毛」は熱湯では対処しきれません。
「衣類についた毒針毛」は50度以上の熱湯で無毒化できますが、毛虫本体についた毒針毛には熱湯が効きませんのでご注意ください。