「チャドクガ予防で、オルトランを撒く時期はいつがいいですか?お庭の椿なんですけど。」
お庭で椿を育てている方から、上記のようなご質問をいただくことがあります。
結論から申し上げると「いつでもいい」のですが、やはり「意味のない時期」「ここまでに撒かないと『予防』にはならない時期」はあります。
そこでこの記事では、チャドクガ予防でオルトランを使いたい人向けに、撒く時期や簡単な使い方をご紹介したいと思います。
チャドクガ予防で使うオルトランの種類一覧
「オルトラン『粒剤』・・・うちのは液体よ?粒剤ってなに?」
オルトランというと粒剤が一般的だと思いますが、やはり人によって使っているオルトランの種類は異なります。
また、種類によって散布時期・方法が異なりますので、まずはオルトランの種類について解説したいと思います。
チャドクガ予防薬剤1.オルトランC
- 【特徴】
- ・スプレー缶のまま散布できる
- ・手軽な一方で定期的な撒き直しが必要
オルトランとスミチオンが入った、『スプレー缶タイプ』のオルトランです。
他の薬剤や粒剤と違い、「即効性がある」「希釈の手間がない」など、すぐにお手軽に使えるのが大きなメリットです。
一方で、「雨が降った後と2週間に1回の撒き直し」という手間がありますので、『お庭の生垣』『小範囲でのガーデニング』をしている人向けです。
基本的な使い方や、撒く時期についてはページ下部で解説いたします。
チャドクガ予防薬剤2.オルトラン粒剤
- 【特徴】
- ・土に撒いて使う
- ・野菜に使える
野菜の害虫予防(アブラムシ・アオムシなど)で有名なのが、オルトラン粒剤です。
家庭園芸で発生する害虫全般の忌避対策に使えるだけでなく、「土に撒くだけ」というお手軽さが大きなメリットです。
忌避効果が長いので撒き直しをしなくていい一方、「即効性がない」ので、撒く時期や状況によっては別のオルトランがいいこともあります。
基本的な使い方や、撒く時期についてはページ下部で解説いたします。
チャドクガ予防薬剤3.オルトラン液剤
- 【特徴】
- ・水で希釈して噴霧器で散布(灌注)
- ・広範囲の忌避対策向け
広範囲のチャドクガ予防に便利なのが、オルトラン液剤です。
「長い椿の生垣がある」「お庭にたくさん木がある」など、とにかく『防除すべき範囲が広い』人向けの薬剤です。
注意点ですが、つつじ類・つばき類に使う際は『樹高2m以下まで』となっています(2mを超えると、効果が劣るため)。
基本的な使い方や、撒く時期についてはページ下部で解説いたします。
チャドクガ予防薬剤4.オルトラン水和剤
- 【特徴】
- ・水で希釈して噴霧器で散布
- ・広範囲の忌避対策向け
- ・野菜に使える
広範囲のチャドクガ予防に便利なのが、オルトラン水和剤です。
「オルトラン液剤」と似ていますが、『オルトラン水和剤は、野菜にも使える』というメリットがあります。
「庭の一角に、小さい畑がある」という方は、オルトラン水和剤がおすすめです。
基本的な使い方や、撒く時期についてはページ下部で解説いたします。
チャドクガ予防でオルトランを撒く時期
オルトランにも色々な種類がありましたが、ここでは各オルトランを撒くのに適した時期について解説いたします。
また、はじめてオルトランを使う方向けに、基本的な使い方についてもそれぞれご紹介いたします。
- 【もくじ】
- ・オルトランC(スプレー)の使い方
- ・オルトラン粒剤の使い方
- ・オルトラン液剤の使い方
- ・オルトラン水和剤の使い方
- ※上記もくじをタップすると、各解説に移動します。
チャドクガ予防でオルトランCを撒く時期とやり方
- 【散布時期】
- ・5月中旬~6月中旬
- ・8月中旬~9月下旬
- ※発生初期に散布するのが、おすすめ。
オルトランCは即効性があり、既に発生したチャドクガの駆除もできますので、「姿を見かけたら散布」がおすすめです。
使い方は簡単で、「植物から約30cm離れたところから、満遍なくスプレーするだけ」です。
散布時は、「農薬用マスク、手袋、長ズボン・長袖」を着用しておきましょう。
チャドクガ予防でオルトラン粒剤を撒く時期とやり方
- 【撒く時期】
- ・5月中旬~5月下旬までに
- ・8月初旬~8月中旬までに
- ※食用作物に使う場合は、付属説明書に書かれた時期・散布量を確認しましょう。
オルトラン粒剤は、「水やりで徐々に土に浸透→植物の根っこから吸収→虫がつきにくくなる」という流れで効果を発揮します。
なので、チャドクガが発生する時期よりも1~2週間位早めに土に撒くのがおすすめです。
オルトラン粒剤を庭木に撒くときは、株の根本に満遍なく撒くようにしましょう。
チャドクガ予防でオルトラン液剤を撒く時期とやり方
- 【撒く時期】
- ・5月中旬~6月初旬までに
- ・8月初旬~8月下旬までに
オルトラン液剤は水に溶かしてから灌注(土に撒くこと)するので、『粒剤』よりも少し遅く撒いても間に合います。
- 【オルトラン液剤の使い方例(椿)】
例えば、椿(ツバキ)のチャドクガ予防に使う場合。 - 1.オルトラン液剤10mlと、水2,490mlを噴霧器に入れてよく混ぜ合わせる(250倍希釈)。
- 2.希釈したら、噴霧器で株元に灌注。
- ※灌注は、簡単に言うと「土に撒く」という意味です。
希釈倍数や使用液量は、製品説明書にきちんと書いてくれていますので、使用前に必ず確認しましょう。
チャドクガ予防でオルトラン水和剤を撒く時期とやり方
- 【撒く時期】
- ・5月中旬~6月初旬までに
- ・8月初旬~8月下旬までに
- ※食用作物に使う場合は、付属説明書に書かれた時期・散布量を確認しましょう。
オルトラン水和剤は水に溶かしてから散布するので、『粒剤』よりも少し遅く撒いても間に合います。
- 【オルトラン水和剤の使い方例(椿)】
例えば、椿(ツバキ)のチャドクガ予防に使う場合。 - 1.オルトラン水和剤1gと、水1,500mlを噴霧器に入れてよく混ぜ合わせる(1,500倍希釈)。
- 2.希釈したら、噴霧器で植物全体に散布。
オルトラン水和剤は、「1g入り袋」と「5g入り袋」の2種類があるので、買い間違いにご注意ください。
戸建て住宅のお庭位の広さであれば、「1g×10袋」で十分足ります。
希釈倍数や使用液量は、製品説明書にきちんと書いてくれていますので、使用前に必ず確認しましょう。
チャドクガ予防でオルトランを使いたい人からよくある質問
ここまで、オルトランの種類や基本的な使い方について解説しました。
最後に、チャドクガ予防についてよくある質問と回答を紹介したいと思います。
チャドクガ予防で使うオルトランはどれが一番おすすめですか?
A.手軽さならオルトランC(スプレー)、園芸好きならオルトラン粒剤がおすすめです。
「庭でチャドクガを見つけた!」という方であれば、スプレータイプのオルトランCが即効性があるのでおすすめです。
一方で「庭で野菜も育てている」「果樹が近くにある」などの方であれば、オルトラン粒剤がおすすめです。
ただ、どちらも『防除』向けの薬剤ですので、『駆除』をしたい場合は「殺虫剤」を使うことをおすすめします。
チャドクガ予防で「野菜」に使えるオルトランはどれですか?
A.オルトラン粒剤とオルトラン水和剤です。
野菜に使えるオルトランは、「オルトラン粒剤」と「オルトラン水和剤」です。
野菜に使う場合は、「収穫時期の〇日前まで」というように使用期限が「植物の種類ごと」に決まっています。
また、他植物と同様に「最大使用回数」「1㎡あたりの使用量」なども植物ごとに細かく決まっていますので、使用前に説明書を必ずチェックしましょう。
チャドクガ予防のオルトランを撒く時期まとめ
チャドクガ予防で使うオルトランには色々な種類があり、それぞれ撒く時期や使用方法が異なります。
また、使用する対象や近くに植えられている植物によっても、使えるオルトランが違います。
名前やパッケージが似ているものが多いので、買い間違えにはご注意ください。