ネズミ駆除に超音波装置は効果があるの？知っておきたい現場のホンネ

「ネズミ駆除に超音波装置は効果があるのか」と疑問に思っている方は多いと思います。

結論から申し上げますと、「最初の追い出しには効果があるけれども、長期的な防除効果はない」というのが結論になります。

ただ、「最初の追い出しに効果がある」といっても、全ての超音波装置で効果があるわけではなく、機種や使う状況などによって効果の有無は変わります。

この記事では、ネズミ駆除に超音波装置は効果があるのか、現場で動いている業者がどのように思っているのかなどについて解説したいと思います。

ネズミ駆除用の超音波装置の特徴について

冒頭で、「最初の追い出しには効果があるが、長期的な防除効果はない」とご紹介しましたが、「最初の追い出し効果」についても製品によっては効果がないものもあります。

また、ご自宅でペットを飼われていたり、建物の構造によっては他の場所で有効な装置であっても効果が出ないこともあります。

そこでここでは、ネズミ駆除用の超音波装置についての基本的な情報をご紹介したいと思います。

ネズミ駆除向け超音波装置の周波数は24～45kHz

最初に一番重要なことをお伝えしますが、ネズミ駆除に使われる超音波装置の周波数は『24kHz～45kHz』のものを使います。

ネットショップやホームセンターに行くと、「猫・イタチ避け！〇〇kHz！」「ハト・カラス除け〇〇kHz～〇〇kHz！」のように色々な周波数帯の超音波装置が売られています。

動物によって、苦手とする周波数帯は異なるので、ネズミ駆除向けの超音波装置を選ぶ際は『24kHz～45kHz』の周波数帯がメインのものを選ぶようにしましょう。

本当にその周波数帯が出ているか不明

市販の超音波装置の一番の問題点が、「本当にその周波数の超音波が出ているかどうか分からない」ことだと思います。

「ホームセンターに置いてあるのは大丈夫でしょう」と思われがちですが、ホームセンターの売り場でも、ネットショップのレビューで酷評されているようなものが普通に置いてあるのでご注意ください。

選び方については、ページ下部で紹介していますが、できれば他の解説なども見て「やっぱり超音波装置を試したい」と思ってから選び方を見られることをおすすめいたします。

>>>ネズミ駆除に適した超音波装置の選び方

ネズミ駆除業者でも超音波装置は使うが賛否両論あり

会社によって異なりますが、駆除業者の中には「作業前に超音波装置で数を減らしてから、殺鼠剤、粘着シートを設置する」という施工方法を取っている業者もいます。

ただし、業界内では「超音波装置は効果がない派」の方が主流です。

一方で、学術的な研究もされており、2004年12月に発表されたBSI生物科学研究所の「クマネズミとドブネズミに対する超音波防鼠器の効力試験」では下記のような結果が示されています。

超音波防鼠器はクマネズミとドブネズミに一定の影響を与えることが認められたが，一過性のもので，持続期間が短いことが判明した。
引用元：「クマネズミとドブネズミに対する超音波防鼠器の効力試験」

現場の業者のやり方や研究結果から考えますと、「初期段階での防除」には使えますが、「継続的な防除」は従来の殺鼠剤や粘着シートでの駆除を検討した方がいいでしょう。

超音波装置を使った人に多い「最初はいなくなる」現象について

実際、超音波装置を使って効果があったという方でも、「最初はいなくなったけど、ある程度時間が経ったらまた出た」という意見が多いです。

超音波装置を使っていて効果がなくなった頃に、業者にネズミ駆除を依頼される方は多いです。

ただ、超音波装置の効果がなくなったとしても、殺鼠剤や粘着シートを使えば自分で駆除することもできるので、費用を抑えたい方は自分でやる方法も検討してみるといいでしょう。

>>>自分でできるネズミ駆除のやり方

ネズミ駆除用の超音波装置にありがちな「追加機能」について

「超音波だけでなく、追加機能があると効果が上がるんでしょ？」と思っている方もいらっしゃると思います。

例えば、ネズミ駆除用の超音波装置を謳っている製品では、下記のような追加機能が見られます。

上記のような機能が超音波装置に付随されていることがありますが、どれも「長期的な効果を期待できるものではない」点に注意しましょう。

ただ、「一時的な追い出し対策」ということであれば、上記のような追加機能がある方がいいでしょう。

超音波装置を売ってくるネズミ駆除業者には要注意

駆除業者の中には、「超音波装置は効果がない」と言っているのにも関わらず、作業後に「予防として」超音波装置を売ってくることがあります。

駆除が完了しているのであれば超音波装置は必要ないので、はっきり「いらない」と伝えてあげましょう。

ただ、現場の作業員は売りたくなくても、会社から売ることを強いられていることもあるので、現場作業員には出来れば優しく接してあげてください。

ネズミ駆除で超音波装置を使うときのポイント

ここまで、超音波装置がどのような場面で使われるのか、どういった特徴があるのかなどをご紹介いたしました。

ここからは、「とりあえず、超音波装置を試してみたい」という方に向けて、使うときのポイントなどをご紹介したいと思います。

超音波装置を使うのは「発生初期段階」まで

記事前半でも解説しましたが、ネズミ駆除で超音波装置が使えるのは「発生初期段階」「最初の短期間の追い出し」だけです。

「家中でネズミの足音がする」「糞尿の臭いがひどい」ような場合は、初期段階を超えているため、超音波装置ではなく業者依頼か殺鼠剤・粘着シートでの駆除をおすすめします。

>>>ネズミ駆除の基本のやり方

設置場所について

ネズミ用超音波装置は、コンセントに差し込んで使うものがほとんどです。

そのため、リビングや居室のコンセントにそのまま差し込んでいる方が多いですが、可能であれば「屋根裏・空洞のある壁面近く」に設置するのがおすすめです。

とくに、「クマネズミ」が出ているのであれば、巣になりやすい「屋根裏・天井裏」に超音波装置を設置するのがいいでしょう。

一方で、「ハツカネズミ」であれば倉庫や穀類の近く、「ドブネズミ」であれば建物1階の各部屋に設置すると漏れがないでしょう。

超音波装置を使った後は「侵入経路を塞ぐ」

超音波装置を使い、ネズミの足音などが聞こえなくなったら、「侵入経路を塞ぐ」ようにしましょう。

超音波装置の効果は限定的なので、追い出したネズミが戻って来れないように「侵入経路を塞ぐ」必要があります。

上記がネズミの主な侵入経路ですが、上記のような場所に隙間があれば「パテ」または「防鼠版（金網）」で隙間を塞ぐようにしましょう。

ネズミ駆除に適した超音波装置を選ぶ

一番重要なことですが、「ネズミ駆除に適した超音波装置」を使うようにしましょう。

ここまでにも紹介いたしましたが、下記特徴を押さえたものを選ぶようにしましょう。

周波数については、「24～45kHz」がメインのものを必ず選ぶようにしましょう。この周波数帯を外れてしまうと、ネズミには「聞こえない」ので要注意です。

有効範囲についてですが、超音波装置1個でカバーできる範囲は決まっているので「自宅の広さに合わせて、必要であれば複数個」用意する必要があります。

追加機能については、「電磁波」が発生するタイプが使い勝手と効果のバランスがいいのでおすすめです。

価格が1万円以上じゃないと効果がない？

「安物は効果ないんでしょ？何万円もする高価なものじゃないといけないんでしょ｝と勘違いされている方がいらっしゃいますが、「3～5千円程度のもの」で大丈夫です。

記事前半でも解説いたしましたが、超音波装置は「一時的な追い出し」に使うものなので、「24～45kHzの周波数が出る装置」であれば3千円でも1万円でも結果は同じです。

マイナーメーカーが多く、怪しいと感じるものが多いですが、Amazonで長年高評価を得ている隠れ名品もあるので無駄に高いものを買う必要はありません。

ネズミ駆除に超音波装置は効果があるのか？現場のホンネまとめ

24～45kHzの周波数が出る超音波装置であれば、ネズミの「一時的な追い出し」には使うことができます。

しかし、効果は限定的なものであり、ネズミの発生状況や建物の構造によっては、殺鼠剤や粘着シートによる駆除でないと効果が出ないこともあります。

製品によって当たり外れもあるため、心配な方は駆除業者に依頼されるか、自分で殺鼠剤や粘着シートを使って駆除することをおすすめいたします。

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