「ムカデ対策にハッカ油が効果あるって聞いたけど、どう使ったらいいの?」というご質問をいただくことがあります。
ハッカ油は、家に出る害虫全般の忌避剤として使えるほか、夏場の暑さ対策やお部屋独特の『臭い』対策にも使えます。
今回は、そんな便利な「ハッカ油」を使ったムカデ対策のやり方などについて解説したいと思います。
もくじ
ムカデ対策にハッカ油は本当に効果があるの?
「ムカデ対策に、ハッカ油なんて効果なさそう」と感じている方もいらっしゃると思います。
冒頭でも紹介いたしましたが、ハッカ油は害虫全般の忌避剤に主成分として配合される位、「害虫除け」効果が高い成分です。
しかし、ムカデに限ってはハッカ油よりも更に「忌避効果が高い成分」があり、それが「ヒノキに含まれる『ヒノキチオール』」と呼ばれる成分です。
ムカデはハッカ油よりもヒノキの香りを嫌う
ムカデ専用の忌避剤では、ヒノキから取れる「ヒノキチオール」が主成分として配合されており、ムカデはこの「ヒノキチオール」を嫌います。
もちろん、ハッカ油もムカデ忌避に一定の効果はありますが、ハッカ油とヒノキのムカデ忌避効果を比べた場合は『ヒノキの方が忌避効果が高い』と言えます。
そのため、本格的にムカデの忌避対策をされたい場合はハッカ油ではなく、ヒノキチオールが配合された専用の忌避剤を使われることをおすすめいたします。
ちなみに、ムカデ忌避剤の原材料で有名な「ヒバ油(青森県産)」も、「ヒノキアスナロ」というヒノキ科の植物です。
屋外のムカデ対策なら「木酢液」もおすすめ
ヒノキ以外にムカデが嫌いな匂いというと、「木酢液」があります。
ヒノキのようにムカデを狙い打ちするものではありませんが、木酢液の場合は臭いが強烈なため、『虫の種類に関係なく』高い忌避効果が期待できます。
デメリットがあるとすれば『臭いが強烈なので屋外でしか使えない』『人もずっと臭いがするとストレスになる』といった点です。
なので、屋外でしか使用できませんが、木酢液はムカデ以外にも蜂・蜘蛛・ゴキブリなどの害虫全般の忌避対策に効果がありますので、コスパを求める人にはおすすめです。
ムカデが寄ってくる原因は?好きな匂いってあるの?
「ムカデって、何だか木が好きそうなイメージがあるけど?植物とかを食べてるんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃいますが、ムカデの主食は『昆虫』です。
ムカデは他の虫を積極的に攻撃して捕食する習性があり、「ゴキブリ・クモ」など自分よりも大型の虫も積極的に捕食します。
なので、「虫が多い家」はムカデが寄ってきやすい環境になっています。
匂いは関係なく湿気が多い場所が好き
ムカデが寄ってきやすい場所にはもう1つ、「湿気が多い」という特徴があります。
例えば、家の中なら「屋根裏・天井裏」「床下」「シンク下」「トイレ」などがあてはまります。
ちなみに、「ソーセージとかサラミの匂いが好き」「臭い靴の匂いが好き」などの情報が出回っていますが、これらは根拠がないので鵜呑みにしないようにしましょう。
ムカデ対策でハッカ油を効果的に使う方法
ムカデ対策では、ヒノキや木酢液の方が忌避効果が高いとご紹介しましたが、「手元にハッカ油が残っている」場合は一度使ってみるのもいいでしょう。
ハッカ油を使う場合は、「使用範囲」「撒き直しのタイミング」などに気を付けることで、ムカデ除け効果を最大化させることができます。
ここでは、ハッカ油スプレーの作り方から効果的な使用方法まで詳しく解説したいと思います。
ムカデ対策用のハッカ油スプレーの作り方
ハッカ油は原液のまま使っても特に問題はありませんが、人によっては「刺激が強すぎる」「かぶれ・蕁麻疹が出る」可能性があります。
屋外であれば原液でも構いませんが、『室内のムカデ対策』としてハッカ油スプレーを使う場合は、希釈して使うことをおすすめいたします。
- 【必要な道具】
- ・ハッカ油:20~30滴
- ・無水エタノール:10ml
- ・精製水(水道水):90ml
- ・スプレーボトル
- 【ハッカ油スプレーの作り方】
- 1.スプレーボトルに、ハッカ油(20~30滴)と無水エタノール(10ml)を入れてよく混ぜる。
- 2.(1)に精製水または水道水(90ml)を加え、スプレーボトルのフタをして思いっきり振る。
- 3.完成
上記がハッカ油スプレーの基本的な作り方です。
上記スプレーは、ムカデ対策以外にも「寝具の臭い・暑さ対策」、「お出かけ時の虫よけ対策」に使うことができます。
ハッカ油100%の原液スプレーもある
「ハッカ油スプレーを作るのって、めんどくさそう」と思われる方もいらっしゃると思います。
そういった方は、「最初からスプレーボトルに入ったハッカ油」を購入されることをおすすめいたします。
ただ、最初からスプレーボトルに入っているタイプのハッカ油は「原液100%」なので、肌が弱い人が使用される際は扱いにご注意ください。
ムカデの侵入経路にハッカ油を撒く
「部屋の中に出てきてほしくないから、部屋いっぱいにハッカ油をスプレーしなきゃ!」と思ってしまいますが、このやり方だと大量のハッカ油が必要になります。
もちろん部屋全体にハッカ油をスプレーしてもいいのですが、より効果的にムカデ対策をしたいのであれば下記のような「ムカデの侵入経路」にハッカ油をスプレーするのがおすすめです。
- 【ハッカ油スプレーを撒く場所】
- ・玄関ドアの外と内側
- ・窓枠の外側と内側
- ・室内のドア枠まわり
- ・トイレの換気口や窓、ドア枠まわり
上記のように、ハッカ油を使う際は「ドア・窓・換気口」周辺に重点的にスプレーしておくと、ムカデが屋内・個室に入ってくる可能性を低くすることができます。
ただ、本来であれば上記のような箇所はムカデが通れないように「防虫対策」をしておくべき場所です。
防虫対策は、業者に頼むのが一番ですが、自分でやる方法もありますので、「自分でやってみたい」という方は下記ページをチェックしてみてください。
ハッカ油は1日1回撒き直す
ハッカ油の香りは、100%の原液であっても『1日で香りの成分が気化』してしまいます。
そのため、ムカデの侵入対策でハッカ油を使う場合は『1日ごとに、ハッカ油スプレーを撒き直す』必要があります。
「それって、毎日ハッカ油をスプレーしないといけないの?めんどくさすぎ・・・」と思われるかもしれませんが、その通りです。
あくまで、ハッカ油は「虫よけや夏場の悪臭・冷涼対策など、幅広く使える便利グッズ」なので、本格的な忌避効果を求めるのであればムカデ専用忌避剤を使われることをおすすめいたします。
ヒノキ由来のムカデ専用忌避剤の使い方
本格的なムカデの忌避対策をされたい場合は、「ヒバ油(ヒノキチオール)」が配合されたムカデ専用忌避剤の使用を検討してみてください。
使い方も簡単で、「ムカデが出そうな場所に置くだけ」で完了です。
製品や置き場所にもよりますが、定番品の「ムカデブロック」であれば、約2ヵ月効果が持続しますのでハッカ油スプレーのように毎日撒き直す必要がないのでおすすめです。
目の前にムカデが現れたら『熱湯』で駆除
忌避剤を使うと、隠れていたムカデが人前に現れることがあります。
そのため、忌避剤を使う際は「ムカデ用殺虫剤」も準備しておいた方がいいのですが、「買い忘れ」をしてしまうこともあると思います。
もしも、殺虫剤を買い忘れてしまった場合は、「熱湯をおたまなどで掬って、ムカデにかける」といいでしょう。
ただ、熱湯をかける方法は家電やコンセントが近い場所では使えないほか、建物にダメージを与える可能性もあるので、できる限り殺虫剤を使われることをおすすめいたします。
ムカデはハッカ油で駆除できない?
最初に、ハッカ油は一定の忌避効果はありますが、「ムカデを駆除(殺虫)する効果はない」のでご注意ください。
それを理解された上で、「ハッカ油を使ったけど、ムカデが家の中に出る」「家の中にムカデが大量にいて困っている」という場合は、くん煙剤を使ったムカデ駆除をご検討ください。
ハッカ油が効かないときのムカデ駆除のやり方
ハッカ油では対応しきれないほどのムカデが家にいる場合は、「くん煙剤」を使ってムカデを駆除するのがおすすめです。
- 【くん煙剤を使ったムカデ駆除の手順】
- 1.家具を布やビニールで保護する
- 2.家中の窓や換気口を閉める
- 3.くん煙剤を各部屋に設置して、水を入れる
- 4.製品ごとに設定された時間放置する
- 5.家具や壁・床などを水拭き、乾拭きして完了
上記が、くん煙剤を使ったムカデ駆除の手順です。
「家具を布やビニールで保護するのってめんどくさそう」という方は、バルサンの「霧タイプ」のくん煙剤を使うのがいいでしょう。
屋内・屋外でムカデ駆除のやり方が異なる
田舎に移住された方に多いのですが、「周りが自然豊すぎて、家の中だけでなく、外にもムカデがたくさんいて困っている」というお悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。
屋内のムカデ駆除は先ほど紹介したくん煙剤を使えばいいのですが、屋外の場合は粉剤もしくは毒餌(置き剤)を使ってムカデ駆除を行います。
「粉剤と毒餌どちらを使った方がいいか」や「どうやって使えばいいか」などについては、下記ページにまとめてありますので、気になる方はチェックしてみてください。
ムカデ対策にハッカ油は効果ないのか?まとめ
ハッカ油は、ムカデ除けにも一定の効果はありますが、本格的な忌避効果を望むのであれば「ヒノキ・木酢液」を使った方がいいでしょう。
また、ハッカ油ではムカデの忌避対策はできても「駆除(殺虫)」することはできないので、すでにムカデが大量繁殖しているようなら「くん煙剤」を使った駆除を実施されることをおすすめいたします。
また、「自分で対処しようと思ったけれど大変すぎる」「全然ムカデがいなくならない」という場合は、専門の駆除業者への依頼も検討してみてはいかがでしょうか。
この記事も読まれています