「排水溝からムカデが出てくるところを見たけど、どうやって対策したらいいかわからない。」とお悩みではありませんか?
「寝る前に、排水溝にハイターをかけるといいよ」や「ネットを貼っておくと、シンクまで出てこない」などの処置を聞くこともありますが、「全然効果がない!」というお怒りの声もよく聞きます。
そこでこの記事では、排水溝のムカデ対策の正しいやり方やハイター・ネットが効かない原因などについて解説したいと思います。
もくじ
排水溝からムカデは侵入してくるのか?
「排水溝には、『封水トラップ』があるからムカデは入ってこれないよ」という方と「実際に、排水溝からムカデが出てくるところを見た!」という方、両方いらっしゃいます。
これについては『両方とも正しい』のですが、条件によって入ってこれる場合とこれない場合の2パターンに分かれます。
そこでまずは、「どのような条件なら」ムカデが排水溝の中から出てくるのかについて解説したいと思います。
ムカデが排水溝の『水の中から』侵入してくる条件
ムカデが排水溝の『水の中』から出てくる条件ですが、主に下記条件を満たしていると、ムカデが排水溝の水の中から室内に侵入することがあります。
- 【ムカデが排水溝から侵入してくる条件】
- ・封水の位置が低い
- ・封水トラップ(椀トラップ)がない
- ・汚水桝近辺でムカデが大量繁殖している
上記のうち、どれか1つでも当てはまるとムカデが『排水溝の水の中から』出てくる可能性があります。
条件を見てお気づきかもしれませんが、「封水トラップ」がちゃんと機能していれば、基本的にムカデが排水溝の水の中から出てくることは『ほぼ』ありませんので、安心してください。
一方で、封水トラップがちゃんと機能していなければ、建物の1階はもちろんですが、大体3階くらいの高さまでは排水パイプの中を通ってムカデが室内に侵入してくることがあります。
そのため、「排水溝近くにムカデが出た!」という人は、まずは「封水トラップ」がちゃんと機能しているかチェックしてみるといいでしょう。
ムカデは排水溝パイプの『隙間』から侵入してくる
「排水溝の近くで、ムカデを見つけた!」という場合、排水溝の水の中からではなく『排水パイプと床の隙間』から侵入した可能性が高いでしょう。
シンクや洗面台の下にある排水パイプは、ムカデが入り込みやすい「基礎(床下)」と繋がっています。
この排水パイプが通る穴には大きな隙間ができるため、基本的には防虫用の返しなどを使って虫が室内に入り込まないようにしてあるのですが、
そういった場合は、業者に頼んで排水パイプを取り外して返しを新しく取り付けるのが一番ですが、パテを使って自分で隙間を埋めるという方法もあります。
ベランダ排水溝もムカデの侵入・繁殖スポット
室内の排水溝ではなく、『ベランダの排水溝』もムカデの侵入・繁殖スポットになりやすいので注意した方がいいでしょう。
とくに、周辺に『田んぼ・山・緑地公園』など豊かな自然がある場合は、下記対策をご検討ください。
- 【ベランダのムカデ対策】
- ・排水溝の落ち葉や汚れを掃除する
- ・梅雨の繁殖期は『忌避剤』を設置
ベランダ排水溝に、土や落ち葉などがつまっていると、そこにムカデが住みつくことがあるため、定期的に掃除されることをおすすめします。
また、梅雨の繁殖時期は『忌避剤』を排水溝近くに置いて、ムカデが登ってこないようにしておくと安心です。
排水溝のムカデ対策の正しいやり方
ここからは、排水溝のムカデ対策のやり方についてご紹介したいと思います。
排水溝のムカデ対策は、侵入パターンによって対処方法が異なりますので、それぞれ侵入パターン別にやり方を解説いたします。
ハイターやネットでは排水溝からムカデが入ってきてしまう
「寝る前にハイターをかけておくと、ムカデが入って来ない」「排水溝ネットを使えば、ムカデはシンクの中に入ってこれない」という情報がありますが、どちらもムカデには効果がありません。
ハイターについては「腐臭」や「コバエの卵」を溶かすため、ゴキブリやコバエ対策には効果がありますが、水がきれいになったところでムカデの生命活動には何の影響もありません。
また、ムカデは力が非常に強いので、排水溝ネットを張っていたとしても、排水溝のフタを押し上げて隙間を作ってシンクに侵入するか、ネットを噛みちぎって侵入してくるので、こちらもあまり効果はありません。
シンク排水溝のムカデ対策は『封水トラップ』があれば問題ない
「ハイターもネットも効かないなら、どうしたらいいの?」となりますが、シンクの排水溝のムカデ対策では『封水トラップ』があれば問題ありません。
昔は、シンクの排水溝には封水トラップがなかったため、屋外の排水管を通ってムカデがシンクの排水溝から出てくるということがありましたが、今は封水トラップがあるので排水溝の中からムカデが出てくる心配はありません。
ただし、「封水トラップ(椀トラップ)がない」「封水が少ない(溜まっている水の量が少ない)」ような場合は、封水トラップの破損が見られますので新しい部品への交換が必要になります。
封水トラップは自分で交換することもできますが、交換用部品選びが難しいので、基本的には水道修理業者に依頼されることをおすすめいたします。
大まかな封水トラップ(椀トラップ)の交換手順
参考程度ですが、封水トラップ(椀トラップ)の交換手順をご紹介しておきたいと思います。
- 【封水トラップ(椀トラップ)の交換手順】
- 1.封水トラップ用スパナを使って、シンク下のナットを緩めて外す。
- 2.封水トラップをシンク下から持ち上げて、シンク上から引き抜く。
- 3.シンク上から新しい封水トラップを差し込む。
- 4.シンク下のナットを締めて、完了。
交換手順は上記の用に非常に単純・簡単ですが、やはり難関になるのが『部品選び』です。
封水トラップはもちろんですが、封水トラップに付随するホース・パイプも交換が必要になることがあるため、そういった知識がないと交換は難しいでしょう。
シンク下排水パイプのムカデ対策は『パテ』を使う
「封水トラップはちゃんと機能しているはずなのに、ムカデが排水溝から出てくる!」という方もいらっしゃいますが、大抵の場合は「シンク下の排水パイプの隙間」から侵入したムカデがシンクの中に移動したということが多いです。
シンク下の排水パイプと床の間に隙間がある場合は、パテを使って隙間を埋めます。
- 【パテを使ったシンク下排水パイプのムカデ対策】
- 1.パテを手でこねて、隙間に埋め込むだけ。
上記のように、パテを隙間に埋め込むだけで完了です。
シンク下の排水パイプは、床下に繋がっており、ムカデは家の床下に住みつきやすいので、この隙間はしっかり埋めておいた方がいいでしょう。
家の中でムカデが頻出するなら駆除対策を検討
「シンク下の排水パイプと床の隙間を塞いだけどムカデが出る」「洗面所やトイレにもムカデが出た」など、家の中でムカデが頻出するようなら「駆除」をご検討ください。
ムカデは毒を持っているので、頻出するようなら害虫駆除業者に依頼されることをおすすめしますが、くん煙剤や毒餌を使って自分で駆除することも可能です。
繁殖状況によっては、屋内・屋外両方のムカデ駆除が必要になりますが、それぞれのやり方については下記ページで詳しく解説しております。
排水溝のムカデ対策のやり方まとめ
「排水溝の中からムカデが出てきた!」という場合、排水管の中をよじ登ってきたわけではなく、別の箇所から侵入して排水溝の中に隠れていた可能性の方が高いでしょう。
特に、シンク下の排水パイプと床の隙間は、ムカデの温床となる床下に直接繋がっているため、何も対策をしていないとムカデが家の中に入ってきてしまいます。
数匹程度であれば、忌避剤やくん煙剤を使って自分で対処することも可能ですが、あまりにも数が多い場合は害虫駆除業者へ相談されてみてはいかがでしょうか。
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