「ムカデは、一匹いたらもう一匹いる!」「ムカデはつがいで行動する!」など色々な噂がありますが、実際「家の中に何匹ムカデがいるのか」気になる人は多いと思います。
また、「ムカデが増える前に何とかしたい」「どれくらいのペースで繁殖するのか気になる」という方も多いと思います。
そこでこの記事では、ムカデの繁殖方法や増えるペースから、ムカデを家の中で見つけたときにやっておきたい対策などについて解説したいと思います。
もくじ
ムカデは一匹いたら何匹いる?
最初に結論から申し上げると、下記条件に『当てはまらない』場合は、家の中にいるムカデの総数は『1匹だけ』の可能性が高いでしょう。
- 【ムカデが複数匹いる条件】
- ・築年数が古い
- ・周辺に田んぼや山、緑地公園など自然が多い
- ・ムカデ以外の虫が屋内に出ている
- ・ムカデが出たのが「梅雨」
ムカデは巣を持たず、単独行動するため、1匹いたからといって必ず家の中に何十匹もムカデがいるとは限りません。
ただし、「周辺に自然がたくさんある」「ムカデ以外の虫がよく出る」「梅雨の時期に出た」というような場合は、家の中に数匹~数十匹のムカデがいることもあります。
また、もともとムカデ被害は「田舎」で多い害虫トラブルなのですが、最近は都心部のマンションでもムカデトラブルが増えており、以前よりも繁殖パターンが増えております。
そこでここでは、もう少し詳しく「家の中にムカデが複数匹いるパターン」について解説したいと思います。
ムカデが一匹いたらもう一匹いる理由
「ムカデが一匹いたら、もう一匹いる」「ムカデはつがいで行動するから、必ず二匹いる」というのは昔からよく言われていますが、どちらも少し誤解を招く表現です。
先ほどもご紹介しましたが、ムカデは基本的に1匹で行動する生物なので「1匹いたら、もう1匹『必ずいる』」ということはありません。
しかし、メスのムカデは卵が孵化した後、幼虫が自分で餌を取れるようになるまでの間「子供に餌を運ぶ」ため、『メスのムカデが1匹いたら、近くに10~20匹の幼虫が隠れている』可能性があります。
なので、「ムカデはつがいで行動するから、必ず二匹いる」のではなく、「メスのムカデの近くには、幼虫が複数匹いる」というのが正確な表現でしょう。
自然豊な環境・隙間が多い家・虫がよく出る家は複数匹いる可能性『大』
冒頭でも少し紹介しましたが、「田んぼ・山・緑地公園など、自然に囲まれている」「家の中に虫が入れる隙間がたくさんある」ような家は、ムカデが複数匹いることもあります。
特に『屋内で、2匹以上ムカデを見かけた』という場合は、言うまでもなくムカデが大量発生しているでしょう。
このような場合は、侵入経路を塞ぐだけでなく、家の中にいるムカデの駆除を早めにされることをおすすめいたします。
家の中にいる一匹のムカデが20匹に増える仕組み
ムカデは「卵」で繁殖しますが、この卵は孵化するまで「メスのムカデの背中」に乗せて、メスと一緒に移動します。
そのため、家の中にいるムカデが「メス」だった場合、殺さずに見逃してしまうと家のどこかで卵が孵化してしまう可能性があります。
ムカデは1回の産卵で30~50個ほど卵を産み、そのうち10~20個ほどが孵化しますので、1匹のメスのムカデから増える数としては「10~20匹」が目安です。
これは屋内でムカデが増えるパターンですが、実際は繁殖自体は庭やベランダで行い、数が増えたムカデが家の中に侵入してくるパターンがほとんどです。
家の中よりも『庭・ベランダ』で繁殖することが多い
家の中にクモやゴキブリなどの虫がたくさんいる場合は、屋内でムカデが繁殖することもありますが、そうでない場合は基本的に『屋外』で繁殖します。
とくに、『庭・ベランダ』で繁殖し、数が増えたムカデが『玄関や窓、配管の隙間から家の中に侵入する』というのが、ムカデ被害の王道パターンです。
この王道パターンは、昔は戸建てに限った話でしたが、今は『ベランダ菜園』で繁殖したムカデが隣室に移動するという被害がマンションで増えています。
マンションで増えている『ベランダ菜園』からのムカデ被害
ムカデ被害は基本的に、周辺に田んぼや山、緑地公園など『自然が多い場所』にある家から相談が多いトラブルでしたが、最近は都心のマンションでもムカデ被害の相談が増えています。
その原因が『ベランダ菜園の土』です。
野菜を育てるための土の中には、虫の卵が入っていることがあり、土の中で孵った虫が隣室に移動してしまうトラブルが増えています。
特に、ムカデ類の被害相談が多く、マンションの高層階でもお隣がベランダで植物を育てているような部屋から「どうにかなりませんか?」と相談をいただくことが増えています(どうにもなりません)。
10階以上で室内にムカデがでたら『観葉植物の土』をチェック
マンションの高層階でムカデが出る原因で、ベランダ菜園とは別にもう1つ多いのが、『観葉植物の土』です。
観葉植物の土では、ちゃんとしたものであれば「加熱処理」と呼ばれる虫の卵や病原菌を焼く処理がされているので、土の中から虫が出てくることはありません。
しかし、安売りされている土の場合、この加熱処理がされておらず、土の中からクロバネキノコバエやムカデのような害虫が出てくることがあります。
そのため、もしも室内で観葉植物を育てていてムカデが出た場合は、観葉植物の土が加熱処理されたものかどうか調べ、未処理だった場合は専用の殺虫剤を使うなど対策をされることをおすすめします。
ムカデの繁殖方法とは
ここまでにも、ムカデの繁殖方法について少し紹介しましたが、「卵が孵るまでの期間、成虫になるまでにかかる時間」や「繁殖のピークはいつごろなのか」など、まだ紹介していないこともあります。
ムカデに限らず、害虫を駆除・防除する場合は「繁殖方法・時期」を知っておくとスムーズに対処することができます。
そこでここでは、ムカデの繁殖方法について詳しく解説したいと思います。
ムカデは卵で繁殖する
ムカデの生殖行為は、オスの精包をメスの生殖口に取り込むだけで終わります。哺乳類のような生殖行為は必要とせず、オスの精包はすぐに切り離せるので数秒で生殖行為が完了します。
その後、メスのムカデは、一度に30~50個ほどの卵を産み、自分の背中に卵を乗せて孵化するまで守り続けます。
卵から孵化するのは大体10~20匹ですが、卵が孵化した後は幼虫が成虫になるまで、餌を取ってくるなど世話をするため成虫になる数が多いという特徴があります。
また、自分で餌が取れない幼虫の間は、同じ箇所に集団でいることがあり「ムカデ(赤ちゃん)が大量発生した!」というような光景を見ることがあります。
ムカデの卵が成虫になるまでは3~4年ほど
卵から孵った幼虫は母親から餌をもらいながら、脱皮を繰り返し、大体半年くらいで独り立ちします。
この独り立ちの時点ではまだ成虫とは言えず、自分で餌を取りながらさらに3~4年かけて生殖行為ができる『成虫』に育ちます。
ただ、種類にもよりますが、大体1年ほどで体長10cmを超える個体も珍しくなく、毒や顎も1年ほどで成虫と同じ機能を持ちますので目視で成虫かどうか見分けるのは難しいでしょう。
ムカデが卵を産む場所は『暗くてジメジメした場所』
ムカデの卵は乾燥に弱く、また、メスのムカデは1人で産卵するため、『暗くてジメジメした場所』に隠れて産卵します。
屋外であれば『石・岩の下・木陰』などですが、屋内の場合は『天井裏・屋根裏・床下・シンク下・トイレ便器の裏』などがベストスポットになります。
ムカデの産卵ポイントは、『ムカデが隠れているポイント』でもありますので、駆除剤を使うときはこのような場所に重点的に撒くといいでしょう。
ムカデの繁殖時期は「5~6月」がピーク
ムカデは、5~6月の梅雨の時期になると行動範囲が広がり、餌となる虫も増えるため、繁殖時期のピークを迎えます。
ちなみに、ピークは5~6月ですが、生殖行為や産卵は1年中可能です。
とくに、家の中ですと、暖房器具の影響で屋根裏や床下は気温・湿度が高く保たれるため、1年中繁殖しやすい環境が整っています。
そのため、冬でもムカデが大量発生するお家も稀にあります。
ムカデの繁殖を防ぐためにできる対策
1匹のムカデから数が増える仕組みや繁殖方法などについてご紹介しましたが、「ムカデを増やさないためにできる対策」を知りたいという方もいらっしゃると思います。
そこでここでは、家の中でムカデが繁殖できないようにするための対策について解説したいと思います。
家の中に1匹でもムカデが出たら『くん煙剤』で駆除
「絶対、家の中で繁殖して欲しくない!」という場合は、1匹でもムカデが出たら『くん煙剤』を焚くことをおすすめします。
くん煙剤とは、水を混ぜると殺虫成分が入った煙が発生する薬剤のことで、個人の方でも簡単にムカデの駆除ができる便利グッズのことです。
- 【くん煙剤を使ったムカデ駆除の手順】
- 1.家具を布やビニールで保護する
- 2.家中の窓や換気口を閉める
- 3.くん煙剤を各部屋に設置して、水を入れる
- 4.製品ごとに設定された時間放置する
- 5.家具や壁・床などを水拭き、乾拭きして完了
手順の中には「火災報知器・家具にカバーをかける」手順がありますが、「バルサン:霧タイプくん煙剤」であればこの手順は必要ありません。
ムカデの再発防止なら『忌避剤と侵入経路の封鎖』も検討
「くん煙剤を焚いた後しばらくは姿を見なかったけど、3か月位したらまたムカデが出てきた」ということはよくあります。
これは、家の中のムカデを駆除しても、屋外から新しいムカデが侵入してしまう環境があることが原因です。
対策としては、「忌避剤を設置する」「侵入経路を塞ぐ」といったものがありますが、説明すると長くなるため下記ページで解説しております。
ムカデは一匹いたら何匹いる?繁殖の仕組みや対策まとめ
ムカデの成虫は、基本的に1匹で行動しますが、メスのムカデの場合は近くに幼虫が隠れている可能性があります。
また、幼虫の頃は行動範囲も広くなく、親から餌を貰わないと生きていけないので、一か所に大量の幼虫が集まっていることもあります。
そのため、「絶対に家の中で繁殖して欲しくない」という場合は、くん煙剤を焚いてムカデを駆除されるといいでしょう。
また、家の中でムカデを見かけたということは、家のどこかにムカデが侵入できる『隙間』ができている可能性があります。
屋外から侵入できる隙間があれば、ムカデを駆除しても新しいムカデが家の中に入ってきてしまうため、早めに隙間を塞ぐなど対処されることをおすすめいたします。
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